人が怖くて勉強だけしていた~社交不安障害の私
発達障害 その他の障害・病気変わらない自分
私は中学に入ってから、進学塾に通い始め、とある有名私立高校に入学しました。今までは学校ではほとんどしゃべれなかったので、高校に入ってからはしゃべれるようになろう、友達をたくさん作ろう、などいろいろと心の中で考えていました。しかし、実際に入学してみると、しゃべることはおろか、みんなの輪の中に入ることさえできませんでした。努力してはみたものの、結局、自分がいかに自分を変えようと思ってみたところで、何も変わりませんでした。高校に入っても、いい子で大人しい自分のままでした。
記憶から消したい高校時代
高校では、一人でやる勉強に関しては嫌でもなかったし、問題なかったのですが、一番困ったのは体育の時間でした。チームでやる球技が苦手で、特にみんなでサッカーをやるのができないのです。他の人の動きやボールの動きが全く分からず、ボールからはできるだけ離れて、ボールがこっちに来ないことを願いながら、ただひたすら時間が終わるのを待っているだけでした。たまにボールが自分の方に転がって来て、何もできないでいると、「何をやっているんだ」という感じで、舌打ちされたり、笑われたり、文句を言われたりします。クラスのみんなはサッカーが大好きで、体育の先生はみんなから人気がありました。一方、私はボールの奪い合いが大嫌いで、授業でサッカーをやらせる体育の先生も大嫌いでした。体育の後の授業なんかは、みんなから嫌な目で見られて、教室に居られないぐらいでした。
そして、同じクラスの一人が常に自分のことを恨んでいると思うようになりました。実際にはそんなことはなかったかもしれないのですが、小さな声でひそひそ話をしていると、自分の悪口を言われているようにしか思いませんでした。自分の被害妄想はひどく、学校をやめたくて仕方ありませんでした。担任の先生に相談すると、「中卒になるで」と言われ、親に言っても勉強のことしかわからず、学校内での人間関係のことなど理解してくれない状況でした。勉強がついていけずにやめたと思われるのが嫌で仕方なかったので、高校の3年間は捨てたつもりで、勉強だけをしました。
人を避けて引きこもりへ
その結果、有名な大学に入ったものの、やはり大学でも他の人とうまく話せず、やがて教室にも入れなくなりました。どんなに頑張っても、出来るのは勉強だけ。大学でも人間関係が築けず、私の心は勉強どころではありません。そのうちに家に引きこもりがちになりました。恥ずかしいという思いもあり、人を避けるようになり、その後、現在に至るまで、就職もしたことがありません。
2016年になって、自閉症スペクトラムと診断され、人と上手くできない原因がわかり、ほっとしています。また人を避けるのは、社交不安障害だそうです。自分の努力不足ではないことがわかったので、人に負い目を感じることもないと思い、今では就職を目指して、就労移行支援事業所に通っています。
その他の障害・病気 自閉症スペクトラム障害(ASD)