障害者からみた価値観の違い
暮らし人はそれぞれ違った価値観を持っていると私は思います。そのせいで仲良くなったり、仲違いになったりします。酷い場合には、価値観の違う人を仲間はずれにしたり、いじめに発展する事もあるかと思います。私自身、協調性と共感性に障害があり強い疎外感を受けてました。それは何故なのか?自分なりに出した答えをまとめてみました。
その人は何を大事にしているのか?
人それぞれ、大事にしている物はあるかと思います。それがお金なのか、家族なのか、友人なのか、仕事なのか、それとも健康なのか。人それぞれ違うと思います。要はそれが価値観の違いに結びつくと私は考えています。私の知り合いで、お金を何よりも大事にする人は、昼夜、休日を問わず働き、その上に出費を最小限に抑えて、人付き合いも家族もほったらかしで、ただただひたすらお金を溜め続けていました。他には、毎日毎日睡眠もとらず働き詰めで、それがたたり一度大病を患いそれ以来、物凄く健康に気を使われている方もおられました。
人はそれぞれ違うもの
私は協調性が低い事が原因で、いくら注意されても周りに合わせるという事が出来ませんでした。加えて共感性が低い事が原因で、相手の気持ちや考え、価値観が理解出来ませんでした。また自分の気持ちや考え、価値観も殆ど理解してもらえる事はありませんでした。そうなるといくら話合っても、話は平行線でお互いに相手を理解する事が出来ずにいました。最初のうちは寂しさも有りましたが、徐々に煩わしさの方が勝るようになっていきました。そんな事の繰り返しで、私は人と疎遠になっていき、あまり自分から積極的に人と関わらなくなり、独りで行動する事が増えていきました。しかし、プライベートはそれで良くても、仕事では人と関わらない訳にはいきませんでした。当時の職場の方たちは、何度も時間をとって話し合い、私の価値観を理解しようとしてくれました。その上で、細かくは人それぞれ違ってもいいが、この職場の方向性、つまり価値観は「人を大事にするという事」なのでそれだけは忘れないで欲しい、と言われました。
相手との違いを認めるという事
当時の自分は何でも障害のせいにして、相手の価値観を理解しようとせず、自分の価値観が全てだと思っていました。相手の考えを理解しようとせず、ただただ自分の考えを押し付けて、それが受け入れて貰えないのであれば、独りの方がいいと考えていました。今では、先ず自分と相手との考えの違いをわかった上で、相手の価値観を認めるという事をすれば、相手も自分の価値観を認めてくれるのだと思うようになりました。対人関係は鏡みたいなもので、自分がしんどい時は、相手もしんどい。自分が嬉しい時は、相手も嬉しい。今はそう思うようにしています。
私は人と関わるという事は、その人に対して何か自分に無い物を求めているからだと思っています。それがお金なのか、人間性なのか、技術なのか、知識なのか、見極める必要があると思います。なぜなら、相手が求めている何かを失った時、その人は自分からは離れて行ってしまうからです。相手の価値観を知れば、相手が何を求めているのか解るかもしれません。自分自身の障害を理解した上で関わる人を選んでいき、また人から関わりたいと選ばれる人になりたいと思います。このコラムが読んで下さった方の少しでもお役に立てれば幸いです。