視覚障害者にとって、個室トイレの設計は自由奔放過ぎる。

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視覚障害者、とりわけ全盲の人が出先で最も遭遇する問題が「トイレ」です。和式か洋式かは勿論、タンクやレバーや紙といったものの細かな配置が毎回悩みの種になるそうです。ペーパーホルダーが左右どちらにあるのか、それすらも全盲の人にとっては非常に煩わしいことなのです。

あちこち触ればいいと思うでしょうが、そうもいきません。トイレの中であちこち触るのは心情として躊躇われますし、タンクなど硬いパーツも多いので意図せず殴って手を痛めることもあるでしょう。多目的トイレですら、パーツや小物の場所は全盲の人にとってバラバラ過ぎるそうです。

晴眼者でも分かりやすい例を挙げるならは、レバーを動かす向きでしょう。日本の便器はTOTO製とLIXIL製が大半を占めていますが、水洗レバーをどちらに動かすかは2社で正反対となっています。TOTO製は手前に引くのですが、LIXIL製は奥へ押すようになっているのです。LIXIL側が節水などの観点から、手前を「小」にしたからだそうです。

トイレの個室には統一された規格というものがありません。全盲の人にとっては、トイレの販売や施工の業者は悪い意味で自由奔放すぎるようです。

排泄はあらゆる生物にとって必要不可欠であるがゆえに、トイレに関する悩み事もまた誰もが大なり小なり持っています。ただ、その内容が共有されているかどうかには違いがあるようですね。小学生の悩み、全盲の悩み、炎症性腸疾患の悩み、それぞれ内容は全く違いますが切実であることには変わりません。一笑に付すのはあまり賢い対応と言えないのは確かです。

遥けき博愛の郷

遥けき博愛の郷

大学4年の時に就活うつとなり、紆余曲折を経て自閉症スペクトラムと診断される。書く話題のきっかけは大体Twitterというぐらいのツイ廃。最近の悩みはデレステのLv26譜面から詰まっていること。

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