精神訪問看護ステーションをご存知ですか?〜治療だけでなく精神的なケアも受けられる
暮らし私自身も高齢者だけが受けられるサービスだと思っていました。しかし、医療的な事だけでなく、精神的なケアも含まれているのです。クリニックでのカウンセリングはハードルが高いと思われている方などには、一度検討してみる価値はあると思います。このコラムでは精神疾患をお持ちの方が利用しやすいサービスをピックアップしていきます。
訪問看護のサービス内容
訪問看護のサービスには次のようなものがあります。
・療養生活相談・支援
・病状や健康状態の管理と看護
・リハビリテーション
・家族の相談と支援
・精神障がい者の看護
・住まいの療養環境の調整と支援
以上のように、多岐にわたる支援を行っています。まずはご自身に合ったサービスを選ぶことが重要になります。次の項目では症状別に絞ってに紹介していきたいと思います。
統合失調症・広汎性発達障がい・うつ病の方の支えになる訪問看護
統合失調症:内服状況の確認
統合失調症の際、入院の原因で一番多いのが、投薬を自分の判断で中断してしまう事です。そのため、服薬管理は症状を悪化させないために最も重要な点になっています。具体的には、薬を処方後、次回の受診までの薬の数を確認します。これにより薬の重複や飲み忘れがないかを確認することで、薬を中断しないように防ぐことができます。しかし、それだけでは完璧に防ぐことが出来ません。訪問看護を行うことによって表情、言動、部屋の状態、服装など観察できることができ、変化を見逃さず、気付いた時に主治医や関係機関へ報告することが出来るのです。
広汎性発達障がい:社会生活が送りやすくするための方法を考えていく事
現在は、乳幼児の定期健診や学校などで早期に発見できますが、大人になってから他の精神疾患を発症して、初めて発達障害だと気付かれるケースが多々あります。社会とうまく適合できないなど、様々な悩みを抱え込んでしまっていることもあるのです。強いこだわりから、言葉かけ一つで不快な気分になったりすることがあるため、訪問看護師の方とうまく連携して、自分のペースに合わせて、焦らず活用しましょう。
うつ病:支持的精神療法
うつの傾向がある人は、常に心のどこかに、非常に不安感が強い場合が多いのです。他人からすれば、些細なことかも知れませんが、本人とってはとても重要な事だと拘ってしまうのです。支持的精神療法とは、カウンセリングの元となる精神療法です。相手の話をよく聞き(傾聴)、受け止め(受容)、相手の心情を支持・尊重する(共感)という精神療法です。患者自身も辛い気持ちを言葉で訴えることができれば、根気よく時間を掛けて、相手の話に耳を傾けて、信頼関係を築きあげましょう。そうすることによって、心の整理がつくと思います。
私自身の経験談
訪問看護という言葉は知っていましたが、あくまで、高齢者介護しかないと思っていました。高齢者以外でも利用できると知ったのは就労移行支援で最低、週に1回は訪問看護師さんと話すシステムがあったからです。最初は何を話せばいいか分からかったのですが、何気ない愚痴や不安を話すことによって、徐々に信頼感が生まれました。決して否定はせず、寄り添うように親身に話を聞いてもらい、先読みによる不安・些細な体調不良のことなど話すことによって、焦りや不安が少しずつ解消されました。主治医と話す事だけでは時間が足りないと思うことがあり、障がい者生活支援センターで改まって話す内容ではないけど気になる事など、些細な悩みや気になったことを寄り添うように話を聞いてくれました。
個人でも訪問看護ステーションに申し込めば、どなたでも受けることが出来ます。ステーションによってサービス内容や負担料金が変わるので、よく調べてご自身にあったサービスを受ければ、生きづらさも少しは解消出来るかも知れません。自立支援を受けている方なら、1割負担で利用できますので、それほど負担にならないと思います。日常生活の悩みや職場での悩み相談などでも、利用は出来ます。もしこの記事を読んで多くの人に知ってもらえたら幸いです。
参考文献
公益社団法人訪問看護財団
https://www.jvnf.or.jp/homon/homon-1.html
訪問看護の専門メディアのケアブック
https://carebook.jp/