障害者枠雇用で働くようになってからの私
強迫性障害 仕事Todd Quackenbush
私は精神障害者です。精神病院を退院後、就職するためにネットで障害者の就職について検索していたところ、就労移行支援事業所というものを知りました。早速見学に行き申し込みをし、約1年3ヵ月通所して、アルバイトですが今年の4月から就職することができました。
採用に至る経緯
就労移行支援事業所を通じて、特例子会社や一般企業の障害者枠、時には自分で電話を架けて企業の一般枠等でいろいろ応募しましたが、結果は全部不採用でした。そんな時、以前実習に行かせていただいた会社が、私の家の近くに事務所を開設したと聞き、「アルバイトでもいいから働かしてほしい」と就労移行支援事業所の担当者にいうと、担当者が会社に連絡してくださって、面接、採用の運びとなりました。 私は実習に行っていたときから、失礼な言い方かもしれませんが、こぢんまりした小さい会社の雰囲気が好きで、仕事の内容もコラムを書いたり、実習生のお世話をしたりと、自分の性に合っているように思い、こんな会社で働きたいと思っていました。なので、採用が決まったときは凄くうれしかったです。業務と人間関係
自分も実習生で行かせて頂いていたように、実習生の対応や実習の受け入れ調整、顔合わせや実習の振返りなどの対人業務をしています。勿論コラムの作成もしています。自分以外に4人のスタッフがいて、みんな男性ですが、私は女性が一人であることに違和感は感じていません。一日一日穏やかに過ぎていくことに安心感を覚えています。できれば定年まで働きたいと思っています。 私は強迫性障害で悩んでいます。仕事中でも少し強迫観念がでます。以前の私なら何回も確認行為(強迫行為)をしていたと思うのですが、今は確認は1回ぐらいしかしていません。決していい加減なわけではありませんが、半ばもういいやと開き直ることができるようになりました。家の中と家族との関係
私は一人暮らしです。朝の戸締まりに1時間ぐらいかかってしまいます。母は「こんな小さい家なら5分で戸締まりできる」と言います。正直いって朝はしんどいです。職場に来たら落ち着きます。こんなことではまだまだダメと思い、自分でルールをきめて確認は2回までにするように鋭意努力中です。 就職する前は焦りもあり家族に対してきつく当たることも度々ありましたが、就職が決まりいざ働き出すと、生活リズムが徐々に仕事モードで整い、余計なことを考える時間もなく、家族との関係も穏やかになりました。一番変わったこと
就職して何が一番変わったかというと、「もういいや」「だいたいでいいや」と思えるようになったことです。自分ではあまり自覚はなかったのですが、私は四角四面に物事を考える傾向があったと思います。働きだして徐々にまるく考えるようになってきたように思います。また、それまでは確認行為はしていなくても、頭の中で繰り返し思い出しながら確認をしたりしていましたが、それがほとんどなくなりました。それだけでも精神的に随分と楽になりました。統合失調症の方は主治医から安定しているので、薬の量を半分に減らすといわれました。強迫性障害の方は症状は一進一退ですが、今の仕事を大切にし仕事を通じて一歩ずつ前進していき、症状を治していこうと思います。必ず治るような気がします。まとめ
働き出して、生活リズムが規則的になりました。一日一日が単調ですが、やるべきことを順次しているという感じで、毎日決まったサイクルで時間が過ぎていきます。ちょっとした充実感を感じています。仕事ではできることから始めて、したことのないことも徐々にできるようになろうと思うと意欲が沸いてきます。精神的には、以前は仕事なんて考えられないくらい症状が重かったのが、今では普通に仕事をこなせていると思えるくらい落ち着いていて、有意義さを感じています。就職できて本当に良かったと思っています。繰り返しになりますが、働くことで症状を徐々に良くしていけたらといいなと思います。強迫性障害