発達障害の方のコミュニケーションに役立ちそうな知識ベスト3
暮らし私は、発達障害専門の就労移行支援事業所に通っています。そこでは、様々なコミュニケーションの知識を学んでいます。発達障害の方の一般的な特徴として、コミュニケーションに苦手さがあるというものが挙げられますが、それに対応するためです。その中から、役に立っていると思うものをランキング形式で紹介したいと思います。
第3位 リフレーミング
まず、そもそもリフレーミングとは何なのか説明します。英語を直訳してみますと、枠を意味するフレームと言う言葉が、フレーミングと動詞形に変化しています。その頭に、リスタートで再出発を表すように、再びと言う意味の「リ」を付けています。纏めると、枠組みを新たに組み直すということになります。ここでいう枠組みは何かと言うと、物事を認知する枠組みの事です。
それでは、物事の枠組みを新たな視点で見直すことはどのようにコミュニケーションの役に立つのでしょうか。発達障害の方は一般的に、人に気を使うことが苦手です。人の感情の機微が読み取れないので、人を思いやった行動がとりにくいのです。それを解消する考え方として、リフレーミングがあります。例えば、薄毛などの人が気にしている特徴をポジティブに言い換えられることが出来れば、気を使えると評価されるではないでしょうか。その為に、私の通う事業所では優柔不断、不器用などのネガティブな意味に使われている言葉をポジティブな言葉に変換します。先ほどの例でいうと、優柔不断は慎重、不器用は実直に変換されます。この変換は、通所者が自分たちで考えて発表しており、ただ変換された言葉を覚えるより考え方が身につくようになっています。
第2位 傾聴
コミュニケーションが上手い人の考え方として、話し上手であることより聞き上手であることが挙げられます。私の通う事業所でも、傾聴と言う題名で、聴くための能力を鍛えるための専用の訓練を設けています。傾聴のレベルを、アイコンタクト、相槌と頷き、間や沈黙などの非言語的なテクニックが使えるのを「受動的傾聴」、話を要約する、言い換えなどの言語的なテクニックが使えるのを「反射的傾聴」、話すスピードを相手に合わせるなどの「積極的傾聴」の3つに分けています。この訓練では、2人で話す役と聞く役に分かれて、実際に3分間や5分間会話することもおこなっています。一定時間話し続けなければならないので、聴く側よりも話す側の方が苦労することが多いです。
第1位 アサーティブコミュニケーション
傾聴が効く側のテクニックだとすると、話す側のテクニックがアサーティブコミュニケーションです。アサーティブは自己主張と言う意味ですが、自分の主張を押し通すためのテクニックを学ぶわけではありません。相手を気使った言い方をする事で、自分も相手もお互いが傷つかない結論を目指す為のテクニックです。
いきなりそれを目指すのは難しいので、まずはしてはいけないコミュニケーションを学びます。それは、自分の意見を押し通すために相手を傷つける「攻撃的コミュニケーション」、逆に、相手の言うことを何でも聞いてしまい、自己主張が出来ない「受け身的コミュニケーション」、その場では相手の言うことを聞くものの、相手がいない時にSNSなどで相手を攻撃する「作為的コミュニケーション」の3つに分けられる。
最後の作為的コミュニケーションは事業所の造語で、自分と相手どちらも良い結果となるアサーティブコミュニケーションがあるのに、自分と相手どちらも悪い結果となるコミュニケーションが無いのはおかしいという通所者の意見から生まれた言葉です。発達障害の特徴であるこだわりに対応した、発達障害専門の就労移行支援事業所ならではの対応だと思います。此処でも実践的なプログラムがあり、支援員や通所者が実際に言動に困った、失敗した例を挙げてもらい、どうすれば良かったのかを考えるロールプレイ的なプログラムが盛り込まれています。
どの訓練においても、実践を取りいれたプログラムとなっています。また、アサーティブコミュニケーションには、発達障害の特徴に合わせた対応がなされていました。そうした気使いは、本やインターネットにはありません。それこそが、事業所で学ぶ最も大きなメリットだと思います。
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