左上下肢機能障害者でも、太極拳をしてよかったこと
身体障害私は左上下肢機能障害で、左半身の手足に麻痺があります。「麻痺している」と一言で言っても、どれくらい動かすことができるのか、どれだけ回復しているかは個人差があります。私の場合、立つ、歩く、座るといったことはできますが、走ることができません。麻痺の症状として、麻痺している手が握りこんでしまいます。腕と肩の関節は動かせますが、指と手首が動かしづらいです。
麻痺の影響で両目の左側の視野が欠けおり、左側に全く見えない場所があったり、正面を立体視できず、前後がつかみにくいです。
しかし、こうした状況であっても、「太極拳」を3年ほど続けることができています。それは太極拳が強く筋肉を使う運動ではないからです。
太極拳について
太極拳は一般的に健康体操というイメージがあると思います。ゆっくりとした動作で、できるだけ力を入れずに動かし続けます。こういった動きは、体に無理をさせないで動くことができるので、筋肉が衰えてきた高齢の方でもできる運動です。歩行法もバランスを崩さないように歩くので転んだりしにくいです。
私の場合は、足よりも手の方に麻痺が強いので、歩法や演舞によってはバランスを崩しやすいものがありますが、先生の丁寧な指導のおかげで一通りのことはできるようになりました。
最近、検定試験を受け合格して中級者になりました。検定試験は「演舞」だけでなく相手がいる「組手」があります。「組手」は相手の動きに合わせる必要があり「演舞」以上の緊張感がありました。
太極拳の効用
太極拳を始めておかげで、転びそうになっても踏みとどまることができるようになりました。また、視野の欠損のせいで、前からくる自転車と距離感がつかめず、ぶつかってしまっても、うまく受け流すことができるようになりました。「力を抜いて動く」という太極拳の訓練は突発的な危険から身を守るのに役立っています。。
太極拳は激しく体を動かすものではないので、パワーをあまり使いません。力を入れないで動くのであまりエネルギーを使わないとおもいます。そして、筋力はあまりつかないと思います。軽く体を動かすことは気持ちがいいと感じ、心身ともに自分の生活を支えていると感じています。
あくまで、運動の一つですので直接的に障害を取り除くような効用はありません。しかし、リラックス効果や肩こりの改善と言ったものは、私の生活を豊かにしてくれたと感じます。
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