緊急事態宣言でストレスをどう対処する?~メンタル不調を最小限に
うつ病新型コロナウイルスの猛威が、多くの人を不安にしていることは説明するまでもないでしょう。WHOはこの状況で、こころの健康維持のための指針として「新型コロナウイルス感染症アウトブレイクに関するメンタルヘルス指針」を発表しました。これは医療従事者だけではなく、一般の方々にも重要なものです
WHO「新型コロナウイルス感染症アウトブレイクに関するメンタルヘルス指針」
WHOは「新型コロナウイルス感染症アウトブレイクに関するメンタルヘルス指針」を発表し、その中で次の4つのタイプの人を"不安を感じやすい人"と定義して、特に注意するよう警告しました。
1.感染リスクの高い高齢者と慢性疾患のある人
2.幼い子どもと10代の青少年
3.医師などの医療関係者を含む新型コロナウイルス患者への支援者
4.メンタルに不安を抱えている人
以上の4タイプに当てはまる人は、自分の心にも注意しておいた方が良いかもしれません。
いつも通りの生活が送れない事で、恐怖心や倦怠感といった感情が湧き上がります。それが長期化すると孤独感から、うつ病を発症する人が増えると言われています。
コミュニケーションの大切さ
会話ができるツールやチャットの活用など、孤独を緩和する方法はすでに色々と開発されています。ただ新型コロナウイルスの問題を発端として慌てて導入を始めた企業などでは、こうしたツールを十分に活用できていないのが現状です。
過去の事例から、自然災害が起きると周囲とのコミュニケーションを活発化させることが分かっています。不安な気持ちを互いに支え合うことで、新たなつながりが生まれることは、少なくありません。緊急事態宣言で外出が難しい今、そうした繋がりを作りにくくなっています。
地域とのかかわりが少ない、1人暮らしで家族と話す時間もない、友人も忙しくてなかなか会えない。結局、自分が最も話しているのは会社の人達だった。こんなことは、決して珍しくないでしょう。
新型コロナウイルスの蔓延によって、多くの人が不安を感じて外出が難しい今だから、電話やチャットアプリなどを使って、少し積極的にコミュニケーションを取ってみるのも、1つの方法ではないでしょうか。
直接会えなくても、インターネットなど活用して孤独を解消していこうという試みは、多くの人の不安に対するメンタルケアに繋がるかもしれません。
緊急事態宣言に関連した「不安」の厄介さとは?
そもそも不安という感情は本来であれば、危険から身を守るためにとても大切な感情です。
しかし、「不安の原因」である新型コロナ感染症に関連した問題は、まだまだ終わりが見えない状況です。
「不安な感情が大きく継続してしまう」ことで、普段以上に「こころ」にストレスがかかり、結果として、不安障害や不眠・うつ病など日常生活にも支障が出てしまいます。
先の見えない情勢のため、適切な医療機関への我慢してしまうこともあるかもしれません。しかし、不眠、イライラ、不安がなどのいずれの不調であっても、早めに医療機関への受診、相談が大切です。
医療や対策、政策、アドバイスなど、自分に合った方法を利用し、心のケアに取り組むことも重要です。また、各都道府県にある「こころのケアセンター」などの公的機関に相談してみるのもいいかもしれません。
参考文献
【公益社団法人日本WHO協会 COVID-19インフォデミックの管理を】
https://japan-who.or.jp
【一般社団法人日本精神保健看護学会】
https://www.japmhn.jp/
【一般社団法人 日本産業カウンセラー協会】
https://www.counselor.or.jp/
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