アルバイト経験から分かること~つまづきと成長
発達障害 仕事出典:Photo by Ella Jardim on Unsplash
私は今までに、様々なアルバイトを経験してきました。そこで、私には苦手分野と得意分野があることを発見しました。今回は「苦手分野から分かる自分の短所」「得意分野から分かる自分の長所」について書いていこうと思います。苦手なことと向き合うことは、自分の障害と向き合うことにも繋がります。
苦手分野
私は学生の頃、二年ほど接客販売のアルバイトをしていました。スーパーマーケットではレジ業務を経験し、雑貨店では接客対応をしていました。そこで分かったことは「忙しい現場での作業が向いていない」という事でした。
休日出勤の日は特に忙しかったため、イレギュラーな事態が発生するたびに、臨機応変な対応が必要でした。例えば、突然お客様から「両替をしてほしい」と頼まれるとよく焦っていました。さらに、長蛇の列を目の前にすると、「もっと早くしなければいけない」と焦り、ストレスが溜まりました。また、同時進行作業も苦手で、レジの操作中にお客様に話しかけられると「注意力散漫になってミスをするのではないか」と心配になることもありました。
雑貨店で働いていた時は、在庫を探すことに苦労しました。バーコードに書かれた数字の羅列を見て正しい商品を識別する作業は、かなり苦手なことでした。
他にも、ポイント支払いや、シニア割引、電子マネー決済などの複雑な業務が多く、忙しい現場で複雑なことをこなすことが苦手だった私にとって、販売職は向いていない業務だったと思います。
苦手分野から分かる短所
先ほどの話から分かるように、私は「忙しい環境で複雑な業務をこなす」ことが苦手です。ここでいう、忙しい環境とは「仕事中に次々と新しい指示が飛び交う環境」のことを指します。特に、同時進行の作業になると、抜けや漏れが発生しやすくなります。そして、私にとっての複雑な業務とは、「計算業務と目視での確認作業」です。計算自体は出来るのですが、割引商品が混ざっていると頭が混乱したり、暗算をすることも苦手です。そのため、お客様から商品の合計金額について質問されたとしても、すぐに反応することが難しという短所があります。
当時は分かっていませんでしたが、これが私の障害特性だったかもしれません。
得意分野
苦手なことだけでなく、アルバイト経験の中で得意なことも発見することも出来ました。
まず、接客販売のお仕事では、お客様に対して丁寧な対応をすることが得意でした。お年寄りの方に対しては、商品を袋に詰めてからお渡ししたり、生花などの衝撃に敏感な商品は、丁寧に梱包してから渡すようにしていました。このように、普段から丁寧な接客を心掛けていたため、お客様から感謝のお手紙を頂いたこともありました。また、笑顔で接客をすることも得意でした。
仕分け業務で得意だったことは、集中力を保って作業する事でした。落ち着いた環境の中で、状況変化の少ない業務を淡々とこなすことは、私にとって得意な作業だということが分かりました。仕事の内容も理解しやすい分野だったため、自信を持つことも出来ました。さらに、疑問点についてタイミングを考えながら質問をすることも得意でした。完全に内勤でのお仕事だったことが安心感に繋がり、職場環境に適応できたのだと思います。
得意分野から分かる長所
得意分野から分かる長所を考えてみると「周りの人に対して丁寧に接することが出来る点」が長所であると思いました。また「気遣いが出来る」ところも長所だと思います。そして、仕分け業務をするうちに分かったことは、「長時間集中力を切らさずに作業できる」という事です。自分の理解できている内容には混乱することなく、一生懸命取り組めることは、私の長所だと思います。アルバイトを経験して良かったこと
ここまでは「自分の苦手だったこと」「得意だったこと」についてまとめてきました。
ここからは、「アルバイトを経験して良かったこと」について書いていきます。
一つ目は、人見知りの克服に繋がったことです。様々な場所で面接を受ける事で、その場にふさわしい受け答えが出来るようになりました。アルバイトを通して、幅広い年代の方と関わることも出来ました。自分から挨拶をすることを心掛けたり、雑談をすることでコミュニケーション力を身に付けることが出来ました。
さらに、人間的に成長することも出来ました。ミスをした時には落ち込むこともありましたが、その分普段の行いで補えることを考えて実行していました。例えば、袋の補充や整理整頓など、自分の出来ることを率先して行うようになりました。
自分なりに工夫して貢献しようと思う姿勢は、この先もきっと役に立つと思います。効率よく作業することが苦手で、お客様から厳しいことを言われた経験もあります。しかし、いつも優しい言葉をかけてくれるお客様もいて、世の中には様々な人がいるという事も学びました。
アルバイト経験は、人としての在り方を考えるきっかけにもなりました。仕事内容を紙に書いて説明してくれたバイト仲間や、「分からなかったら何度でも聞いていいよ」と声をかけてくれたパートの方々。その折々で人の優しさに触れることが出来ました。同時に私も、周りの人を気遣える人でありたいと思うようになりました。
アルバイトを経験することで、自分の知らなかった世界を知ることができたように思います。その経験で培ったことを、今後も活かしていきたいです。
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