精神障害と診断されたとき、仕事を続けるべきなのか、それとも……
仕事出典:Photo by Jonathan Rados on Unsplash
もし、自分が精神障害だと診断されたらどうしますか?今の職場に残るか、転職するかどちらが自分にとって正しい選択だと思いますか?仕事が原因でなんらかの障害を発症しても、働き続けたいと思いますか?
今回のコラムでは精神障害と診断を受けたあとの働き方について考えていきます。
休職や転職という選択肢
診断後、職場環境を改善することができて、今の職場で働き続けられるならそれはとてもいいことだと思います。
ですが、もし改善していなかったらどうでしょうか?何度も上司に相談をしても全くわかってもらえず、パワハラを受け続けているといった状況なら……
そんなときに精神科の先生に相談をされた方は、薬で抑える以外に2つ選択肢をいわれたはずです。
「気持ちや体調を整えるために休職すること」「退職、または転職をすること」といった風に。
1つ目の選択肢ですが、休職と言っても会社の就業規則によって違いがあります。一定期間仕事を休むという点では同じですが、休みの期間が会社によって異なります。また休職するための条件もあります。休職を申し出る前に、まずは会社の就業規則を確認してください。
なぜ休職するのか?それは気持ちや体調を整えることはもちろんですが「現職を続けたい」という気持ちがあるからです。仮に転職することを選んだ場合、新しい環境がもしかしたら合わない可能性や、そもそもどのような職につけばいいかわからないという不安も出ます。ストレス要因さえ解決すれば、また落ち着いて働ける場合、休職はベストの選択肢だと思います。
ですが、復職後に職場の環境が全く変わっていなかった場合、症状が再発する恐れもあります。休職を検討されている方は、自分の訴えを上司に正確に伝え、戻ってきたときに環境が改善されているかどうか事前に確認してください。
退職または転職する場合、新しい職場でやり直すことができます。そこは前職と何か関わりのある場所かもしれません。もしかしたら、まったく違った環境なのかもしれません。色々と不安はありますが、大切なのは「自分がやりがいを感じながら働く事ができる」ことです。
復帰の働き方について
今の職場を辞めた場合、考えなければいけないのは次の就職先です。それがすぐに決まっている方はいいのですが「求職者の中には何をすればいいかわからない」「どんな仕事をすればいいのかわからない」という方もいると思います。そういう場合はハローワークに相談してみましょう。
ハローワークには障害のある方の仕事を探すためのサポートをしている「専門援助部門」というのがあります。働きたいという気持ちがあればスタッフとの相談を経て少しずつ自分の進みたい道がイメージできると思います。また「オープン就労」と「クローズ就労」というのがあります。前者は自分の障害を応募企業に開示する就職活動で、後者は開示しません。どちらを選ぶかはその人次第ですが、場合によってはクローズによる応募に制限がかかることもあるようです。
また「就労移行支援事業」というのがあります。障害を持っている方の就労をサポートする福祉サービスです。そこでは体調管理や就職に必要なスキル、コミュニケーション、そして応募書類の作成から面接のシミュレーションなど、さまざまなことを学べます。
ハローワークの「専門援助部門」と似ていますが、明確な違いは利用料金が発生するという点です。これは利用者の前年の世帯収入によって決定します。また、就労移行支援には原則として2年間の利用期間というのが存在します。利用者によっては半年以内で就職できているケースもあれば、2年間をフルに利用して仕事探しされている方も多いようです。こちらでも「オープン就労」と「クローズ就労」いずれかを選んで仕事を探すことが可能です。
何をすればいいか今は検討がつかなくても、通所を繰り返す内に自分の適性に気付くこともできます。スタッフとの定期的な面談でご自分が今後進みたい道が少しずつ見えてくるかもしれません。
おわりに
職場で働くことによって、ストレスがたまり精神障害を発症するというのは決して珍しくありません。
そうなったとき、今の仕事を続けていくかどうか迷われる方も少なくないと思います。ですが、はっきりといえるのは、そこで働き続けることが必ずしも最善とは限りません。
職場環境の改善が望めず、障害がどんどん悪化してしまったら、仕事へ行くことすら嫌になっていくことでしょう。そうならないためにはこれまでの自分を振り返り、よりよい道を選択することが大切です。特に転職となると、何をすればいいのかわからず一人で考えてしまいがちです。そういう時は勇気を出して周りに相談してみましょう。
時間はかかるかもしれませんが、一歩ずつ確実に自分が働きやすい環境を作っていくのも生きる上でとても大切です。
【参考文献】
【障害のある方のお仕事探し | 大阪ハローワーク】
https://jsite.mhlw.go.jp/osaka-hellowork/
【「適応障害で仕事を辞める?休む?」転職・仕事探しや支援制度を教えます│DIエージェント】
https://di-agent.jp/
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