手首に巻く!メモする!ヘルプマークwemo
暮らしコスモテックと発達障害当事者協会が共同開発した「ヘルプマークwemo」が、頒布を兼ねたクラウドファンディングを実施しています。「wemo」とは、ウェアラブル・メモを略した造語から名付けられており、コスモテックが開発した商品です。
wemoは、手の甲にペンで文字を書くほど忙しい看護師をターゲットに、2017年に発売され翌年の文具大賞に輝いた、コスモテックの主力商品です。ボールペンでメモが出来、消しゴムやアルコールで消せる、そんなリストバンドです。
これが発達障害者にとってもリマインダーとして使われていることから、コスモテックと発達障害当事者協会の交流が始まり、ヘルプマークを入れるというアイデアに至りました。管理する東京都からの許可を受け、ヘルプマーク付きのwemoが誕生した訳です。
そんなヘルプマークwemoについて、インタビューを行う機会を得ましたので、内容をここに記載します。クラウドファンディングは4月30日の午後11時まで受け付けています。
リマインダー+ヘルプマークの発想
──発達障害当事者協会について教えてください
「私は事務局長で、代表は別の人です。2015年に設立した時から事務局長をやっております。規模はさほど大きくなくて、スタッフは11名で、会員はメルマガで450人くらいです。障害者団体は色々あると思うのですが、当事者の意見を集めたり行政に働きかけたりするための当事者団体が発達障害には無かったので、有志で集まり設立しました」
──wemoを開発したきっかけを教えてください
「元々はヘルプマークのないごく普通のリストバンドでした。これを着けているライターの方が東洋経済に『ADHDで忘れっぽい自分にとって便利なツールです』と寄稿し、wemoを製造するコスモテックの目に留まって我々との交流が始まりました。そこでヘルプマークを入れるアイデアが生まれたのです。ヘルプマークを求める人は結構いるのですが、市区町村によっては配布終了のところも珍しくなく、従来のヘルプマークは付け外しの手間があり障害によっては不利です。お試しで2本ほど作ってもらい、皆で使い方を模索しました。小物としてもオシャレですし、ヘルプマークを出すも出さないも自由だという発見がありました。支援者や救助者などにとって分かりやすいのも利点です。とりあえず、どの程度売れるか分からないのでクラウドファンディングで試そうとした次第で、3週間で目標額の5割が集まっています」
──ヘルプマーク自体の認知度も高まったので、営業などで広める将来も見据えている感じですか
「上手くいけばの話ですけどね。皆様に使っていただき、感想を集めてブラッシュアップしていけたらいいなと思っています」
使い勝手良好
──実際に使い勝手は良さそうに見えます
「最大の特徴は、メモとして何度でも書いたり消したり出来ることです。ボールペンで書いてもアルコールや消しゴムできれいに消せるようになっています。子どものランドセルに付けてメッセージボード代わりにするのもいいですね」
──コスモテックさんとはどのような提携をしていますか
「開発段階から一緒に活動していますね。製品としては古くから出しているもので、腕に文字を書くほど忙しい看護師がターゲットだったそうです。それが発達障害者にも役立っていると聞いて、コスモテック側からコンタクトがありました。その中で、ヘルプマークが入ればより便利だと思い、管理する東京都から許可を貰いました」
──白以外の色は出さないのですか
「他の色を出すと、その分コストがかかりますし、ヘルプマークを目立たせるには白しかないですね。ノーマル版なら他の色もあるのですが」
広めたい、どうにか
──拡散する上での課題はありますか
「最初はこれが売れるのかどうか分かりませんでした。ヘルプマークが入れば買うのではないかという思い付きで始めたのですが、実際に使ってみると大きくて恥ずかしいとか普段使いで困るとか言われましたね」
「避難所で貸し出して誘導したり映画館で割引したりするような使い方もあるかもしれません。勿論、必要なければ使わないという選択肢もあります」
──オンラインでの交流などは考えていますか
「当事者会を運営する上での研修会をやっています。コロナ禍を機にオンライン化していましたが、落ち着いて来てからはオフでもオンでも両方開催するようにしています。研修とは、法律や社会資源など制度の説明だったり、大人の発達障害と医療であったり、他の当事者会に発表してもらったりと色々お話させて頂いてます」
参考サイト
ヘルプマーク、一目で 障害者、職場や災害時活用
https://www.at-s.com
クラウドファンディングページ
https://readyfor.jp