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徹底的に、ローカルな、『スーパーモデル』NPO。月と風と。

「月と風と」は兵庫県尼崎市で重度訪問介護、居宅介護のサービスを提供しているユニークなNPOです。

NPO法人月と風とは2006年兵庫県尼崎で設立した、スタッフ7人の小さなアート福祉まちづくりNPOです。

名前の由来は『誰かの力を借りてもなお、他の誰かの道を照らしている。これが障がいお持ちの本人さんとヘルパーとの関係に似てるなあ。と思い『月』を、楽しい音楽として『風』を、そして主役はあくまでそこに住むみなさん。てことで『と』を最後につけました。

全体的にヘラヘラとしていて、実は人との関わりに誠実であろうとしている。共生社会実現という遠い理想を見据えながら、隣にいるひとを大切にする。

それこそが一見涼しげだが、昼間の表面温度は110°Cにもなる『月』にシンパシーを感じるゆえんです。

活動内容としては障害をお持ちの方にヘルパーを派遣する『障害福祉サービス事業』と、世の中の社会問題ほとんどの原因である孤独をなくそうという『ヒトリボッチジャナイプロジェクト』の大きく2つです。

ヒトリボッチジャナイプロジェクトは『アート』『ヘルパー育成』『おふろ』『ちいきづくり』の4つのプロジェクトに分かれています。行政からのお金がでないこれらのプロジェクトですが『知り合いの多い人生は幸せな人生』と言い切り、主につながりづくりのきっかけとして活動しています。

具体的にはチャリティ古着屋さんNPOと障がいをお持ちの方のファッションショーを共同開催したり、『うまいものを食べ→お芝居を見る→まちの銭湯へみんなでいく』そんな健康ランドのような1日を過ごすことで知り合いを増やす『劇場型銭湯』、チームで商店街を何店舗もめぐり店主の人にパーソナルクイズをだしてもらって正解を競う『とびだせ!商店街!』などクセ強めのイベントをやったりしています。

障がいをお持ちの方と、まちの人が親しげに話ししてるところを見たりすると『月と風とがなければ、この出会いはなかったんだぜ』とすこーしだけ鼻高々になります。サイコーです。

資金がなくても、知識がなくても、情熱と仲間とほんのちょっとの怒りがあれば、『楽しい』社会へ変えていける。

ヘラヘラしながらも楽しみながらも、真剣に誰かのために動く。そんな『ちいさく、たくさん、えらべる』NPOのうちのあこがれられる一つでありたい。稀有(スーパー)なモデルでありたい。

月と風とはそんな実践を繰り返していきます。


清田仁之(きよたまさゆき) 41才

清田仁之(きよたまさゆき) 41才

「特定非営利活動法人 月と風と」代表理事。
20才の時オーディションに合格し劇団に入る。その時演出家に言われた『自分のコンプレックスは、舞台で表現すればお金をとれる武器になる』という言葉に感銘を受ける。コンプレックスを克服するではなく、表現に転化することで、肩の荷が下りて世界が広がった感覚を、障がいお持ちの方にも味わってもらえたらいいなー、考えて福祉の世界へ。ばおばぶの木のように、小さな組織のままで、楽しくできることを常にやっています。

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