犯罪と精神鑑定の関係
暮らし出典:Photo by Bermix Studio on Unsplash
罪なき犯罪
殺人、窃盗、放火……毎日様々な犯罪がどこかで起こり、裁判で判決をいい渡されています。テレビニュースなどでも報道されているので、大きな事件などでは目にする方も多いでしょう。
そんな中、重大な罪を犯しても裁判で無罪になるケースもあります。それは「責任能力がない(責任無能力)」と判断された場合です。
責任能力とは
刑法上で責任無能力とは、心神喪失や14歳未満の者のことを指します。また心神耗弱(こうじゃく)といったものもあります。
大まかにいうと、心神喪失は「善悪の区別がつかず、それに伴う行動をする力が"失われた"状態」であり、心神耗弱とは「善悪の区別がつかず、それに伴う行動をする力が"著しく低下した"状態」です。
罪と犯罪の違い
では、責任能力が無い場合は罪ではないのか?という疑問が浮かびます。前述の刑法上の理由により、法的には「罪」には当たりません。
Wikipediaによりますと、『罪(つみ)とは、規範や倫理に反する行為をさす。』と書かれています。また『犯罪(はんざい、英語: crime)とは、刑罰法規に規定される「構成要件に該当する、違法で有責な行為」のことである。』とも書かれています。
ですが人道的、道徳的に見れば、殺人や放火はれっきとした「罪」です。多くの場合、罪には被害者が存在します。
被害者の立場から見た場合、加害者が責任無能力で無罪となったときに、果たして納得できるのでしょうか?
仮にわたし自身や家族がなんらかの被害に遭い、同様の判決が下されたとして、わたしが納得することはないでしょう。
無罪判決は罪を無くすのか?
無罪になったとしても「悪」であった事実は残ります。しかし法的には「罪」は残りません。
わたしは精神障害者2級ですが、わたしが犯罪行為をした場合は正当に裁いてほしいと思っています。
ですが、仮に病状が悪化して責任能力がない状態で罪を犯したときには無罪になるかもしれません。なんだか、曖昧な線引きに思えてきませんか?
100%の理解は難しい
責任能力の有無にかかわらず裁かれると、加害者側からの不満がたくさん出てくるでしょう。
逆に、責任能力がないからといって減刑や無罪判決ばかり下されていては、被害者側としても納得がいかないと思います。
どちら側に寄り添っても、それはきっとどちらかに偏った結果になってしまいます。
度々SNSなどでも目にする論争ですが、おそらく結論にいたることはそうそうないでしょう。いつか明確なラインが引かれるその時までは。
出展:Wikipedia「犯罪」
https://ja.wikipedia.org/wiki/
出展:責任能力とは?責任能力なしで無罪になる理由や精神鑑定について解説
https://wellness-keijibengo.com/sekininnouryoku/