東京都でも解禁されたタンデム自転車とは?

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Photo by Lucky Airlangga on Unsplash

東京都は7月から、タンデム自転車の公道走行を解禁することになりました。これをもって全47都道府県の公道でタンデム自転車を走らせることが可能となります。

そもそもタンデム自転車が何なのかと言いますと、人数分のサドルとペダルを備え付けた多人数乗り自転車のことです。ここでいうタンデム自転車は原則2人乗りを指しますが、テレビCM「麒麟戦隊アミノンジャー」では5人乗りが使われていたほか、ものによっては10人乗りまで存在します。アニメ「ヤッターマン」の影響で3人乗りをイメージする方も多いのではないでしょうか。

タンデム自転車は複数人でペダルを漕ぐため、スピードが出やすく小回りが利きにくい難点を抱えています。また、ホイールベースが長いため法律上では「自転車」として認められずバイクなどと同じ扱いを受けており、歩道を走ることは禁じられています。東京が最後の認可となったのは、道路事情の複雑さが足を引っ張っていたからだと言われています。

しかし、先頭がハンドルを操作して後ろがペダルを漕ぐ構造上、視覚障害者がサイクリング出来るようになるという際立った個性も持っています。パラリンピック種目にもなったパラサイクリングでは、ハンドルを握る晴眼者と後ろの視覚障害者でチームを組んでレースしますし、そもそも日本でのタンデム自転車普及には兵庫県に住む視覚障害者が尽力していました。

日本国内でのタンデム自転車は、1978年に軽井沢のレンタル事業を参考に長野県が解禁したのが始まりです。それから間が開いた2000年代後半から、一部サイクリングロードでのみ許可していた兵庫県や山形県、「しまなみ海道サイクリングロード」で繋がっていた愛媛県と広島県、世界一の視覚障害者トライアスリートを輩出した佐賀県など全国で解禁されていきました。

危険や責任こそ大きいですが、際立った光る個性もまたタンデム自転車は持っています。視覚障害者にサイクリングの楽しみを提供するだけでなく、地域活性化などのイベント要素も期待されており、東京都では12月に早速ロードレースを多摩地域で開催する方針です。

遥けき博愛の郷

遥けき博愛の郷

大学4年の時に就活うつとなり、紆余曲折を経て自閉症スペクトラムと診断される。書く話題のきっかけは大体Twitterというぐらいのツイ廃。最近の悩みはデレステのLv26譜面から詰まっていること。

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