SST(ソーシャルスキルトレーニング・社会生活技能訓練)で対人関係を改善
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心の病を抱えている人は、対人関係が苦手な人が多くいます。私もその中の一人です。そんな悩みを解決する方法の1つにSSTと呼ばれる手法があります。今回はSSTについて紹介したいと思います。
SSTとは
SSTは、社会の中で生活していくために必要なコミュニケーションなどのスキル(技能)を身につける訓練のことです。supersonic transportという旅客機の略語でも使われますが、この場合はSocial Skills traning(ソーシャルスキルトレーニング)の略で、日本語では社会生活技能訓練といいます。SSTのプログラムは病院のデイケアや障害者の就労支援事業所等で行われています。社会のルールを身につけ、周りの人たちと協調していけるよう対人関係の改善を目指します。
SSTの対象者
統合失調症やうつ病等の心の病や発達障害を抱えている人で、次のような社会で人との関わりが困難な人が対象となります。
・指示を理解したり判断したりするのが苦手な人
・自分の行動をコントロールするのが苦手な人
・人とのコミュニケーションが苦手な人
SSTの流れ
SSTは次の例のような流れで行われます。
例題:デイケアのスタッフに明るく挨拶する練習
①自分が普段行う挨拶をみんなの前でロールプレイ(実演)します。(本人、スタッフ役を決めます)
②みんなから良かった点を発表してもらいます。
・声のトーンが良かった
・声の大きさが良かった
・声が元気があって良かった
③さらに良くする点を発表してもらいます。
・立ち止まって挨拶する
・笑顔で挨拶をする
④意見の中から1つ取り上げてさらにロールプレイをします。
⑤2回目さらに良くなった点を発表してもらいます。
・さらに声が明るく笑顔で良かった
・声のトーンが高いので気づきやすかった
・落ち着き感があり好印象
以上がSSTの流れになります。
SSTを受けての効果
筆者自身も、SSTを受ける前は人との関わり方も分からず、戸惑っていました。しかし、SSTを受けることで挨拶はもちろん、報告・連絡・相談や周りの人との関わり方も、だいぶスムーズにできるようになってきました。さらに、意見を発表することで人前で話す自信にも繋がります。
SSTのポイントとして、練習している人の良いところを見つけることが大切です。その中でどうすればさらにより良くなるのかを考えることです。日常生活の中で活かせていけると思います。ストレス対処の方法が身につき、ポジティブに考えられるようになっていきます。筆者自身も、表情や伝え方が柔らかくなってきています。対人関係で悩んでいる人は一人で悩まず1度参加してみてはいかがでしょうか。