統合失調症の認知機能を改善させる治療法は?
暮らし統合失調症の認知機能と改善治療法
統合失調症の人の中には、認知機能がうまく働いていない人がいるそうです。認知機能が働いていないと、記憶力低下、注意力低下、言葉が出にくい、といった事が起こり日常生活で不自由が起こったり、仕事が困難になってしまいます。認知機能を改善させる治療法は薬物療法、デイケア、作業療法の医療リハビリテーションがあります。その中でも認知機能のリハビリにターゲットをあてた治療法があります。それは、メタ認知トレーニングですが、今ではパソコンを使った方法が主流です。しかし、対象となる人、訓練時間、方法など決められているので、行える施設、取り組める患者さんが限られています。そこでもう一つは、運動プログラムがあります。運動を継続的に行うことで、認知機能が落ちにくくなり、改善されるといわれています。
運動プログラムの目的と内容・ルール
統合失調症の患者さんに運動プログラムを行うことで、認知機能の向上を目指します。運動プログラム参加前後の認知機能の変化をチェックし、運動が認知機能リハビリテーションとして活用できるか確認した上で進めていきます。プログラムの具体的な流れを説明します。
運動プログラムの例~お手玉を使ったゲーム
2人一組になります。
一人が簡単な数字を言いながらお手玉を投げます。受ける人は数字が偶数の時は『右手』数字が奇数の時は『左手』で数字を言いながらボールをキャッチします。それを双方5分間づつ行います。
更に足し算、引き算などの計算を相手に伝えて、受け取る人は答えを言いながら偶数は右手、奇数は左手でキャッチします。
他にもサッカーボールやフラフープを使ったゲームもあります。失敗しても構いません。楽しむことが何より大切です。
運動プログラムのルール
・スポーツが苦手な人でも楽しく取り組める種目になっています。
・安全を第一に考えられた種目になっています。
・運動によってかかる負荷は、デイケアのスポーツプログラムで行っているものと同等かそれ以下の負担となるようになっています。
・患者さんのレベルに合わせた簡単な種目になっています。
認知機能改善の為の運動プログラムの効果
この運動プログラムは、関西医科大学付属滝井病院の精神科デイケアなどで行われています。筆者自身、統合失調症でこのプログラムに参加しました。滝井病院では、研究として行っていて、現段階では、結果として参加者の中には少し向上した人もいますが、総体的にはあまり変化がないよう人も多いです。プログラムの向上に向けて、研究が続けられています。
現状は改善がまだまだ必要だとは思いますが、参加をしていろんな人とのコミュニケーションがとれることで、普段あまり話さない人とも関われるいいきっかけにもなります。運動不足の解消にもなります。なにより失敗してもいいので、気楽に楽しめることがこのプログラムの良いところです。このような研究がより進んで、ゆくゆくはリハビリの1つとして確立する事を祈っています。