障害や病気があっても着物で思い出作りを
暮らし出典:https://www.photo-ac.com/
障害を理由に着物を着ることを断念した方や、着物を着てみたいけど諦めている方もいらっしゃるかと思います。今日ではそんな人のために全国で積極的に成人式の晴れ姿を思い出に残そうとしてる方々の紹介をいたします。
着物を着る楽しみを共感し合いたい~一人で着られないのはみんな同じ
大阪府立大の松下由美子准教授と、枚方市の地域写真家「花歌」こと樺井良祐さんが障害者を対象に着物姿を記念撮影するプロジェクト「綺麗な晴れ着を写そ!みんなの笑顔と写そ!」を設立されました。
関係者の方は「遠慮することなく、着物を着る楽しみをみんなで共感し合いたい」とし、参加者を募りました。交野市に入所、通所、在住で着物を着たことがない女性障害者で、定員は30名といった条件付きではありますが、1人ごとの個別写真と集合写真の2種類を撮影するという企画です。実施に向けては女性用着物や襦袢、帯、足袋などの貸し出しや、着付けボランディアといったヘルパーも15名ずつ募集しているそうです。
「着物は高価だが、日本にとって大切な文化なので楽しんでほしい」と関係者は言います。
車いすに座ったままでも着物を
愛知県では春日井市を拠点に、和装のレンタルや婚礼のヘアメイクを手掛けている「はなよめ工房」が車いすでも座ったまま着れる着物を開発しました。車いすや寝たきりの障害者は和装をあきらめる方が多かったが「どんな人でもきれいにしたい」という信念のもと生まれたデザインでした。
開発された着物は上下を別々に着るセパレートタイプ。上部は腕を通すだけで、下半身はエプロンのように前から覆うというスタイル。面ファスナーを活用して帯に着物を固定させて、着崩れを防ぐという工夫も施されています。着付けは一人で行い5~10分で完了します。着物を通常通り着付け多様な風格になり、現在は振袖や袴、留め袖も同じ形状で増えているそうです。
子どものお祝いも一人一人のペースで撮影
東京都江戸川区にある「Side2 PhotoStudio」では自閉症と診断された娘さんを持つカメラマンのオーナーが、七五三の時に撮影でじっとしていられない子供に手を焼き「もういいです」と遠慮して立ち去った親御さんの姿を見て気持ちを共感。念願の障害者用スタジオの設立に踏み切りました。
慣れない環境でパニックになってしまったり、泣いてしまうかもしれないのですが、養護学級で撮影をすることもある仲間に賛同してもらい、手伝ってもらいながら運営されているようです。手帳を持っている人たちのためのスタジオで半日の時間を用意しており、ゆっくりとした一人一人のペースでその時を待っていれば最高の写真を残せるとオーナーは言っています。
誰にでも祝福を受ける権利を
着物だけでなくウェディングドレスや挙式プランも増えており、ますますバリアフリーの意識も広まってきているのは本当にありがたいことですね。また、美容室や撮影スタジオには、詳しくカウンセリングを行い、可能な範囲で配慮を行うところもあるようです。
障害があっても、着物を着て楽しみ、記念や思い出を残せる取り組みが全国に広がっていくといいですね。
参考
「晴れ着」遠慮しないで 障害者対象に記念撮影プロジェクト 大阪
http://www.sankei.com