フードファディズムとは?その健康番組の情報は正しいの?
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皆さん、食べ物の効能を過大評価することにより、健康番組などのメディアからの健康情報を鵜呑みにして痛い目に合うかもしれないです。このことは、フードファディズムの一部になります。本記事ではフードファディズムについての理解と騙されないためのコツをお伝えします。
フードファディズムとは
フードファディズムには次のような特徴があります。
①ある特定の食べ物(飲み物)を摂りさえすれば、いかなる病気でも治すといったことや、時間をかけずに一気に痩せられると謳われているものが時折大流行します。例えば、近年の場合だと「納豆」(2007年)、「バナナ」(2008年)、「トマト、トマトジュース」などがありました。これらはマスコミや健康情報娯楽番組が学術論文に書いてあることを、過大評価しウソ情報も混ぜ込みいかにも健康的であると視聴者に宣伝している場合もあります。
②これを食べると〇〇に良いと、その食べ物の薬効を強調することがあげられます。確かな効果を得るには、常識から外れる量を摂らなければならない場合が多い。これもまたマスコミや健康食品の宣伝広告でよく見かけます。
③食生活を俯瞰して見ず、この食品は体にとても良く、あの食品は体に悪いと決めつけることがあります。ごく普通の食事を悪とみなし、特殊な食事療法を奨めることも含まれます。ナチュラルなものは何でも良く、人工的や動物性ものをみなひっくるめて悪とする向きがあります。
フードファディズムの具体例
玉ねぎにSMCS(S-メチルシステインスルホキシド)という物質が含まれています。糖尿病のラットに玉ねぎからSMCSを分離・抽出し経口摂取させたところ、血糖値が低下し、高脂血症が良くなったという研究報告があります。この研究によって、玉ねぎは糖尿病に効くと思いたくなりますが、実は50キロの人間に置き換えると、SMCSの有効な量は毎日玉ねぎを50キロ食べねばならないです。玉ねぎを毎日50キロ食べないといけないのは、無理があり過ぎます。
それから、フードファディズムの影響を受けて、ベジタリアンの親が子どもに同じようにベジタリアン食を与えて、身体的にも知能的にも発達が遅れたという報告もあります。
フードファディズムを見分けるには
食に関して過剰な期待をしないことです。食べ物には万病に効く魔法のものもなければ、それを食べると健康を崩すといった悪魔的なものもありません。節度をもった食生活を心がけることです。
フードファディズムを見分けるには、メディアリテラシーにも通じます。この情報の出元はどこからなのか、そこはどのような目的がある団体なのか見抜く力は必要。そして、そこそこ健康で程よい食生活を心がけて、休養と運動も大切です。
ありあふれる健康情報に私たちは、右往左往してしまいそうになります。でも、ちょっと立ち止まって冷静に考えますと、これはおかしいのではと気づけます。また、健康は大事ですが、強迫概念になって怪しい健康食品に引っかかってしまうかもしれません。私たち現代人は、健康情報の渦を見抜く力を必要とされています。
参考文献
マスメディアや宣伝広告に惑わされない食生活教育
―フードファディズムと健康に関連する食情報 ― 高橋久仁子著
群馬大学教育学部紀要 芸術・技術・体育・生活科学編
https://gair.media.gunma-u.ac.jp
フードファディズムと健康教育―メディアに惑わされない食生活
http://www.intermed.co.jp
フードファディズム メディアに惑わされない食生活 高橋久仁子著
中央法規出版株式会社 2007年