車イスの歴史〜こうして車イスは誕生した
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街に出ると、車イスに乗られている方をよく見かけます。車イスとは、いったいいつからあったもので、いつの時代から現代の車イスに近いものを発明されたのでしょうか。それでは、車イスの歴史をひも解いてみましょう。
車イスの始まり
古代メソポタミア文明から車輪が使われていて、その車輪を応用していたのは想像しやすいです。車イスの起源をたどると、紀元前500年前のギリシャで、寝台に車輪を取り付けられたものがあり、車イスというよりかは車ベッドといったものでした。16世紀に入ると、「若返りの泉」という絵画には、手押し一輪車に障害者とみられる人物を介助者が押すことにより移動している風景があります。
現在にもみられる4本脚のイスに4個の車輪を付けられた車イスは、ヨーロッパの場合、プッシュチェアと呼ばれています。スペインのフィリップ2世の絵に伝わっているようです。フィリップ2世のイスのタイプは介助目的というよりかはリラックス効果を目的としたものでした。
一方、日本では土車が一般的だったそうで、古いものでは一遍上人絵伝からあります。土車は名前の通り工事減現場で使われていた運搬道具を転用したものでした。その後、戦前に奉納していた頃まであったそうです。
現代における車イスの登場
1937年に、炭鉱労働事故で障害を負ったエベレストと友人のジェニングスがアメリカで4輪ボックスタイプの車イスの特許を取得しました。その後、E&Jという会社を立ち上げ4輪ボックスタイプの車イスを大量生産しました。現在もよく見るタイプのもので、このタイプの車イスの利点は、軽量な素材を使用されており、携帯しやすい折り畳み式です。この他、特徴として、後輪駆動で前には小型のキャスターがあり、シートとバックサポートがキャンバス地になっています。
E&J社による車イスの独占で1940年代から1970年代までの30年以上間、目立った技術革新はなく停滞していました。しかし、80年代以降は、E&J社の独占が終わり、様々な企業が新規参入し、現代にいたります。最近ではDEKA社とトヨタが「iBOT」という最新の電動車イスの開発を進めています。
現代の車イスの問題
ここまで車イスは日々技術が発達していますが、まだまだ車イスの事故は起こっています。特に、電動車イスの死亡事故は多く、電動車イスはまだまだ課題があります。福祉用具の事故は電動車イスと並んで介護ベッドによる事故も多発しています。これからは、国内外のメーカーの安全技術の発展が非常に求められる時代になります。
いかがでしたでしょうか、時代の進展に伴って車イスの技術は発展していきましたが、まだまだ問題があるので進化する余地はあります。誰もが暮らしやすい時代を実現するのに、私たちは応援していく必要があります。
参考文献
意匠から見る手動車いすの発展
http://www.f.waseda.jp
階段を登れる電動車いす『iBOT』、トヨタの協力で復活へ
http://japanese.engadget.com