電車に乗るのも一苦労~交通機関と精神障害
暮らし私は毎日、いわゆる朝ラッシュの電車を利用しています。今日の電車やバスなどの公共交通機関には、優先座席と言うものが付いていることが多いと思います。目の不自由な方や足が不自由な方などの身体障害の方には席を譲るよう啓発されていますが、精神障害者においても、突然発作が起こったり、突然気分が悪くなったりすることもあります。
うつなどの症状はなかなか表面に現れなかったり、その症状の重さも人それぞれだったりですが、身体障害だけでなく精神障害にも優先座席は必要だと考えます。
優先席
JR東日本では、ホームページでも車内放送でも優先座席の対象者を次のように呼びかけております。
「お年寄りや、身体の不自由な方、妊娠中や乳幼児のお連れの方」
この中に精神障害は含まれておりません。もちろん突然体調を崩す方を見かけると、他の乗客の方のご厚意で席を譲って頂けることもあります。しかし逆に、立ってていきなり気分が悪くなったり、乗り降りの際に押されて気分が悪くなったりすると、「お客様の応急救護の為、各電車に〇分程度の遅れが出ています。」等と迷惑をかけることになります。
又、満員電車の中だと、酸素の濃度が薄くなり、二酸化炭素濃度が濃くなることがあるので、気分がしんどくなることもあります。→参照:CO2が脳の機能(意思決定)に与える影響
優先席ではなく「専用席」
日本の多くの鉄道会社は、優先席を設けていることが多いです。しかし札幌市営地下鉄では、優先席ではなく「専用席」を設けております。「優先」ではありません。「専用」です。私自身も見かけたことがありますが、この座席はどれだけ他が混雑していても空席であることが多い座席です。
ここの対象者は、高齢者や体の不自由な方、妊娠中の方、乳幼児の方の他に「内部障害者」も対象です。
しかし、精神障害者は入っておりません。うつの方だと過呼吸になったり、統合失調症の方だと幻覚や幻聴を感じてしんどくなったりすることなどがあります。その症状が出た時がもしこの後10分間無停車の満員列車なら、その10分間は我慢しないといけない。それは苦痛と言う言葉で表せられないほどしんどいことです。
精神障害者への配慮とシンボルマーク
精神障害が表面化する時は、症状の重さにもよりますが、いつどこで起きるか分かりません。もちろん満員電車の中でも起きることがあると思います。身体障害の方はもちろんの事、精神障害者も安心して電車やバスを利用できれば良いと思います。
外から分かりづらい障害・難病などで配慮の必要な方が援助を求めやすくするために作られたヘルプマークは役に立つと思います。また、精神障害者へのシンボルマークを導入するのも一つの考えだと思います。精神障害の方への理解が広がり、緊急時には助け合えることが大切だと考えます。
精神障害という障害のある方が増えてきた今こそ、各所で検討して頂きたい内容だと思います。
参考文献
JR東日本
https://www.jreast.co.jp
札幌市交通局
http://www.city.sapporo.jp
北海道Likers
http://www.hokkaidolikers.com
東京都福祉保健局「ハートシティ東京」
http://www.fukushihoken.metro.tokyo.jp/tokyoheart