障害者は、本当に「障害」なのか?

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出典:https://www.photo-ac.com

私を含めたうつを患っている方、下半身が不自由で車いす生活をされている方、極端にひとつの物事へのこだわりが強い方、その方々を指すとき、「精神障害」「身体障害」「発達障害」と言う言葉を用います。また求人などを見ていると「障害者雇用枠」と言われ方をしています。

しかし、我々が抱えているものは、本当に障害なのでしょうか。

このコラムをお読みになる方で私と同じ考えの方もいらっしゃると思いますが、今回は私の考察を交えながらお話したいと思います。

「障害」の意味

障害と言う言葉を、大辞林で引くと以下の意味が出てきました。

①物事の成立や進行の邪魔をするもの。また、妨げること。しょうげ。

②身体の器官が何らかの原因によって、十分な機能を果たさないこと。また、そのような状態。

③個人の特質としての機能障害(impairment)、その為に生ずる制約としての能力低下(disability)、その社会的結果である社会的不利(handicaps)を包括する概念。

④「障害競争」の略。

上記②③の意味ももちろんありますが、「障害」と聞いて一番最初に思い浮かぶ意味は、やはり①なのではないでしょうか。もしそうなら、我々は邪魔者扱いされるのでしょうか。

過去に会社で邪魔者扱いされた経験がある身として、あまりいい気持ちにはなりません。

「障」「害」「碍」「礙」の意味

「障害」を、上記②③の意味で考えられない理由、それはそれぞれの漢字の意味にあるかもしれません。そう考えた私は、それぞれの漢字の意味について調べることにしました。「障害」」は「障碍」や「障礙」とも書くことができるので、「碍」や「礙」についても調べました。日本漢字検定協会が運営する「漢字ペディア」のデータをもとに調べると、

「障」・・・①へだてる。さえぎる。ふせぐ。②へだて。しきり。③さわる。さしつかえる。

「害」・・・①そこなう。傷つける。こわす。②さまたげる。③わざわい。

「碍」・・・①さまたげる。じゃまをする。②ささえる。ささえ。

「礙」・・・①さまたげる。じゃまをする。②ささえる。ささえ。

太字は、使用例として「障害(障碍、障礙)」が挙げられている意味です。

これを調べて私は愕然としました。「障害」という表記に疑問を持っていただけだったのが、「障碍」や「障礙」という表記だとしても変わらないという事が分かりました。これでは「障がい」や「しょうがい」と言った表記に換えたとしても、本質は全く変わらないのではないでしょうか?

社会の変化で変わりゆく言葉

「保育士」「認知症」「支援学校」

これらの言葉に共通すること、それは社会の変化によって、昔当たり前のように使われていた差別の恐れのある用語から変化した言葉です。これらの前に使われていた言葉は敢えてここには載せませんが、性別的な事、病的な事、自分の特性的な事、そういった理由で、言葉による差別を受けた人たちがいたのです。

障害だって同じです。昔よりかは表現方法などで配慮されてはいると思いますが、それでも本質は全く変わりません。全ての人が平等に生活する権利があるならば、我々のことを障害と言う言葉で説明するのではなく、「個性」等と言ったプラスの言葉で表現することは難しいのでしょうか。

まとめ

たかが言葉の問題かもしれませんが、そのたかが言葉の問題で、社会的地位が下がっていってしまってます。勿論障害を持たない方より上位に立ちたいとは思っていません。しかし少なくとも、障害を持たない方と同様に社会活動することのできる障害になるよう、私自身も努力しながら社会的地位を確立したいと強く思います。

参考文献

漢字ペディア(公益財団法人 日本漢字能力検定協会)
http://www.kanjipedia.jp/

ユキダルマ

ユキダルマ

大阪府出身の20歳代男子です。
2017年、うつと診断されました。
現在は精神保健福祉手帳3級を取得。就労移行支援事業所に通所しつつ、長期就労を目指します。
趣味はスポーツ観戦、鉄道旅行など多岐にわたります。

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