「人生を変えてくれた水泳」 佐久間勇人の2018年自由日記 vol.3
『佐久間勇人の2018年自由日記 』vol.3 <毎月30日連載>
2月19日(月)
リオ・パラリンピックに卓球で出場した岩淵幸洋選手と一緒に講演をする機会に恵まれた。対象は90人の小学校6年生だ。岩淵選手の話を聴きながら、2020年の東京大会に向けて準備を進めているようで、是非出場を果たし、大会を楽しんで頂きたいなと思った。よし、自分もそれまで、後悔しない様に全力で生きよう。
私も身振り手振りをしながら聴衆と目を合わせて話していきたいところだったが、未だ講演回数が多くないので原稿を読もうと決めていた。もちろん、伝えたい事をしっかり伝えるにはどうしたら良いかと、考えてもいた。そもそも今時の小学6年生とはとの疑問もあった。私の話では集中力はもたないかもなあとか、どうせ上の空なのだろうなあと。
しかし、当日、話を聞いてくれている生徒一人一人の顔を見ていると、最初は棒読みになってしまったけど、次第に心から声が出て来た感じがして、伝えたいことをしっかり伝えられたんじゃないかっと思った。講演といっても人と人の交流だ。心が通じ合うことが何よりも大切なんだな。
後日、生徒たちが感想を文集にして送ってくれた。涙が出た。小学生のリアルな本音を聞けたことに感激した。お世辞も嫌味なく素直な感想だった。それをもらうまで正直どう思っていたのかなぁって不安が残っていたけれど、その文集でそんな気持ちは一気に吹き飛んだ。
今回、貴重な経験をさせて頂いた。私自身が成長させてもらった。友人の繋がりで産まれた企画だったのだけれども、その繋がりとすばらしさに感謝しかない。また子ども達に、講演でも何でも、伝えていきたいことを発信していきたい。
3月17日(土)
私が所属している障害者水泳チーム「千葉ミラクルズSC」の年に一度の総会があった。私の人生を変えてくれた水泳とこの“チーム”に感謝を再確認し、来期も頑張ろうと改めて思った。まだいける。思い込みは重要だ。
私が入会するずっと前からのコーチが今季限りで引退する為、送別会も開催された。入部したころ、コーチは私に笑顔がない事を見つけだしてくれた。会うといつも気にかけてくれて、いつだって声をかけてくれた。その温かさを忘れられない。今、笑顔でいられるのはコーチのおかげです。ありがとうございました。
3月23日(金)
平成29年障がい者スポーツ功労者及びスポーツ選手表彰式があった。3年連続で受賞することができた。私は、授賞式会場まではひとりで行くことができない。正直、こんな状態だし、授賞式は欠席しても賞は貰えるんだから出席しなくても、という思いが心をよぎった。しかし、親友が会場まで連れて行ってくれた。ありがたい。
出席して改めて思うのは、この賞の受賞者は皆、頑張っている人たちだ。周りの人達からの大いなる励ましもあったはずだ。頑張ったけれど受賞できず悔しい思いをした選手もいるだろう。皆、仲間であり、心友である。ということだ。現場で雰囲気を感じ取ることで、それが励みになり、力になった気がした。そんな方たちの存在を知ることが出来たのが、最大の強みかなって思う。出席出来て良かった。