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穏やかで優しい人が多い「ダウン症」とは?

出典:https://www.pakutaso.com


みなさん、ダウン症ってご存知ですか?
ダウン症の正式名は「ダウン症候群」で、染色体の突然変異によって発症する先天性の疾患です。
21番目の染色体が1本多いので21トリソミーとも呼ばれます。
最初に報告したイギリス人のジョン・ラングドン・ダウン医師の名前から命名されました。

ダウン症の特徴と種類



ダウン症の特性として、筋肉の緊張度が低く、多くの場合、知的な発達に遅れがあります。発達の道筋は通常の場合とほぼ同じですが、全体的にゆっくり発達します。
心疾患などを伴うことも多いのですが、最近では医療や教育が進み、ほとんどの人が普通に学校生活や社会生活を送っています。
私たちの体の細胞の中には46本の「染色体」というものが入っています。
それを47本もって生まれてきたのが、ダウン症の人たちです。
誰にでも起こり得ることで、性別や人種などにかかわらずどの国にも約800人から1,000人に1人の割合で生まれます。

ダウン症は大きく次の3つの種類に分けられています。

「標準トリソミー型」
「標準型21トリソミー」とも言われ、全体の90~95%を占めています。
普通22本あるはずの常染色体が23本と1本多くなります。
子どもに偶然起こるもので、両親は正常な染色体数を持っています。

「転座型」
5~6%の割合で見られます。
21番目の染色体のうちの1本が他の染色体(13番、14番、15番、21番、22番)にくっついています。
その半数は染色体の不分離で、両親の染色体は正常です。
残り半分は遺伝性転座で、親に転座染色体保因者がいる場合です。

「モザイク型」
1~3%の割合でみられ、一番まれな種類です。
21番目の染色体が2本の細胞と3本の細胞が混ざっています。
両親の染色体数は正常です。


ダウン症の原因



1959年にフランスのジェローム・レジューン氏らの研究で染色体の異常であることが明らかになりました。卵子や精子がつくられる過程で染色体がうまく分離されないことで、異常が起こります。
転座型の原因としては、21番目の染色体が別の染色体にくっついているために起こると考えられています。
また、一番少ないモザイク型は、受精後初期の細胞分裂のときに染色体が分離されないことが原因となります。
ですが、どうしてそのような染色体異常が起こるのかはっきりとした原因は今のところわかっていません。
どんなふうに育つのでしょうか?
発達が緩やかなので、ゆっくり丁寧に励ましながらできるだけ自分でやるように仕向けるようにしてください。
ダウン症の子どもたちは人懐っこくて穏やかな性格の子が多いと言われていますので、愛情を注いで見守っていくのがよいでしょう。
発達支援は必要ですが、ご家族が温かい気持ちで接し、お子さんを大切に思う愛情を注ぐことで、明るく元気に育っていきます。
ダウン症のある子は一般の子より病気がちと思われていますが、なかには病気と縁のない子もいます。
ダウン症の併発症(合併症)といわれるものも、一般の子がかかるような病気の頻度が少し上がるだけです。
また、ダウン症のある人には真性喘息、重い脳性麻痺、癌などの病気はあまりみられません。


ダウン症の人の学校や仕事は?


学校は、地域の小中学校の普通学級か特別支援学級へ通うか、個々の状況に応じて特別支援学校を選びます。
高校は特別支援学校へ進む人が大半です。
仕事は、施設や作業所での軽作業のほか、飲食店や小売業などさまざまな分野で多くの人が働いています。
趣味を生かして画家や演奏家などを目指す人もいます。
プロの書道家、ダンサー、俳優として活躍している人もいます。


ダウン症の人は周囲の雰囲気を和ませる明るく優しい性格の人が多いと言われています。
ただ、人と接することが苦手な人や強いこだわりやパターンを持っている人が少なくありません。
本人の特性を理解して、温かく見守りながら一緒に楽しんで接しましょう。

障害者ドットコムニュース編集部

障害者ドットコムニュース編集部

「福祉をもっとわかりやすく!使いやすく!楽しく!」をモットーに、障害・病気をもつ方の仕事や暮らしに関する最新ニュースやコラムなどを発信していきます。
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