私の自閉症スペクトラム障害という発達障害の特性からくる困りごと
発達障害皆さんは自閉症スペクトラム障害をご存知でしょうか?以前アスペルガー症候群と言われていたもので、特性としては、その場の空気が読めない・相手の気持ちが理解出来ずに思ったことを口にして、相手を不快にさせてしまう(例:初対面の人に「太っていますね」と言ってしまう)ことが一般的に知られています。一口に障害と言っても特性は人それぞれです。今回は私の特性についてお話しします。
自閉症スペクトラムの特性からの不安
自閉症スペクトラム障害の特性の一つに、被害者意識が強く、相手の言動を自分に向けられた悪意や非難などマイナスの方向に解釈してしまう事が挙げられます。私はこの特性を持っていて、これまで対人関係で支障をきたす事がありました。特に困ったのは、家族や友人・主治医やアルバイト先の人物など比較的距離の近い人の発言をマイナスに解釈してしまう事でした。具体例としては、以前の主治医に「あなたは意欲が低いから、出来る事は限られている。ボランティア活動あたりが無難だと思いますよ」といわれた事がありました。今振り返ればこれまでの私の経緯や当時の状況を見て「まだ仕事が出来る状態じゃないからボランティア活動から始めてみては」というアドバイスだったと思うのですが、私には「あなたは今後ボランティア活動以外の事はできないよ」という皮肉に聞こえてしまったのでした。私は一度でも相手の言動を悪意あるものだと解釈すると、その後何を言われても悪い風に解釈してしまい(敵意や他意を持っていると思い込んでしまう)自分から連絡を遮断して距離を置き関わらなくなるといったことがこれまで何度もありました。頭の中では「そうではない」と分かっていても否定的な物の見方を変えるのは難しく、このままでは周囲から孤立してしまうのではと不安を抱えていました。
認知行動療法を取り組むことに
そんな中現在の主治医と支援者に勧められ、認知行動療法に取り組む事にしました。認知行動療法とは、簡単に説明すると自分に起こった出来事に対し、良い面と悪い面の両側にスポットをあてて状況を整理し、少しずつ物の見方を修正していく方法です(例:職場の○○さんと喧嘩した、もう仲直り出来ないのでは?→けれど○○さんは喧嘩する前まで自分の仕事を手伝ってくれた事実がある→今回はたまたま意見が合わなかっただけで、次からは大丈夫だろう)ストレスが軽減し、うつ病など様々な精神疾患に効果があることが知られています。私は支援者から渡されたワークシートを使い自分に起きた出来事を客観的に見る練習を現在も行っています。経過としては、過去に起きた出来事の整理が出来る様になってきました。私の場合は過去の出来事が整理できると、それに循環して現在の出来事も少しずつ整理が出来ました。整理が出来ると少し楽になり、気持ちが穏やかになるのを実感しています。簡単なことではありませんが、自分の物の見方が少しずつ変わってきたことは、今後の自分にとって確かな一歩です。
自閉症スペクトラム障害(ASD)