グレーゾーンアスペルガーの症状と能力について
発達障害アスペルガー症候群という障害をご存知でしょうか?おそらくこのページにたどり着いた人のほとんどが知っていると思います。このアスペルガー症候群に悩まされる人というのは、全人口の1%ほどいて、正式に診断をもらっていない「グレーゾーン(軽度・隠れ)アスペルガーの人」も含めればもっといると思います。
アスペルガーの人の多くが日常生活において慢性的に辛さを感じている場合が多く、(対人関係スキルがないなど)特定の概念や物に対してのこだわりが強いというのが一般的にいわれる症状。必要なのは過ごしやすい環境と周りからの支援であることは言うまでも無いのですが、前述した「グレーゾーンアスペルガーの人」は、なかなか適切な支援を得られない事が多いのです。それはなぜかとうと、一見してグレーゾーンな彼らは健常者にみえるため、病気と診断される機会がなく、本人すら病状に気づけない状況になってしまうからです。だから、目に見えてわかる重いアスペルガーの人のほうがある意味快適な人生を手に入れやすいかもしれませんね。
今回は、そんな軽度のアスペルガーを患っている人についてまとめてみました。
グレーゾーンアスペは対人関係が嫌
診断を受けていない軽度のアスペルガーはどのような症状に悩まされるのか。そしてまた、どのような能力があるのか。これらを紹介します。
一つ目は、対人コミュニケーションが難しいところ。別に言語能力が低いだとか、極端に自己中心的でないものの、対人というだけで身構えてしまい、緊張してしまう人が多いです。なぜなら自分の世界に閉じこもりやすいため、人との関わりが二の次になってしまうんですね。だから人間関係に消極的で、めんどくさがります。しかし、一度相手と打ち解けると難なくコミュニケーションをとることが出来、逆に充実したトークを行う事ができます。語彙力も豊富な人が多く、わかりやすい言葉を使える人もいます。
グレーゾーンアスペは完璧主義になりやすい
二つ目は、完璧主義なところ。自分がやることはすべて完璧でなければならない、と常に考えている(無意識に)ため、自分や他人のミスが許せなくなります。また、時間についてもピリピリしやすく、大きなストレスを自分で生み出してしまいます。結果、うつや不眠症に陥る場合も。しかし、完璧主義思考ゆえに仕事のクオリティが高い事もあり、細かいところにも気づき、それが周りからの評価につながります。
グレーゾーンアスペはこだわりをもつ
三つ目は、特定分野への強いこだわりです。趣味は誰しも持っていると思いますが、グレーゾーンアスペの人は特に興味のある事に対して熱を持ちます。このすさまじい熱意とこだわりが功を奏し、すばらしい業績を残したり、スキルを最大限発揮できる人になれることも。天才や偉人の多くは、このような「特定分野への強いこだわり」をもっている場合が多いのです。
グレーゾーンアスペは感覚が偏る
四つ目は、感覚の偏りです。視覚・聴覚・味覚・触覚・嗅覚の中で「一部の感覚だけ敏感」であるとか「一部の感覚だけ鈍感」であることがアスペルガーの人には多いです。グレーゾーンアスペの場合は、生活に支障がでるほどの感覚の偏りは少ないですが、それでも本人が苦痛だと感じる場面は少なくないです。わかりやすい例でいうと「音に敏感」であることです。ドアの閉まる音、バイクの音、足音などにいちいちビクっとなってしまいストレスを感じる人は結構いるのではないのでしょうか。これは、聴覚過敏ともいわれており、常に聴覚に意識が向いてしまっているという状態ですね。
他にも感覚の偏りとして、「一つのことに集中したら、他の事についてすべて頭から離れてしまう」などもメジャーな症状です。複数の事について同時に考える事が難しいのです。しかし、この特性にもメリットがあります。それは特定の事を極めるのが得意、だということ。ある一点(こだわりのあるもの)に対して思考を止めずに集中するので、良い結果を残せる事もあります。他のサイトで「音に敏感な人は想像力が豊か」という情報がありましたし、グレーゾーンアスペにはもしかすると素晴らしい才能が隠れているかもしれません。
私もアスペかもしれない
私も障害をもっており、診断名には「自閉症スペクトラム障害」と書かれてありました。実はこの記事を書いていて、「私もそうかも…」と思えるような部分がたくさんありました。別に私はすごい才能を秘めているとかみじんも思っていないのですが、アスペ特有の症状は私の症状とよく似ていました。
私の主な症状は、コミュニケーションが苦手で、音に敏感で、複数の事を考えるのが難しくて、謎のこだわりがあって、完璧主義で、時間にピりピリしやすいところですね。そして、こんな自分が嫌いだったのですが、今では周りの支援と環境の変化もあって自分を少しずつ肯定的にみれるようになりました。
「個性だししょうがない!」で割り切ることも大事ですね。
さいごに
グレーゾーン(軽度)のアスペルガーの症状と能力についてお伝えしました。いかがでしょうか。正直この記事を書いてて思ったんですが、「これ健常者でもあることじゃない?」と思えてならないです。健常者だろうが軽度アスペだろうが、完璧主義もいるし、強いこだわりがある人もいるし、障碍者と健常者の違いって「自分の特性で生きづらさを感じているか否か」の所だと思います。
いずれにせよ、人それぞれ適した生き方というものがあると思います。そしてその生き方と今ある自分が合致しているかどうか、が重要なポイントです。
アスペ症状に苦しんでいる人は一度、ありのままの自分を分析してみてください。自分の個性や、できることとできないことを明確にすると、快適な生き方を見つける事が出来るでしょう。
参考文献
アスペルガーより悩みが深い!?症状はあるのに認定されない“隠れアスペ”とは?
https://next.rikunabi.com
音に敏感な人ほど想像力豊かである可能性が示唆される(米研究)
http://karapaia.com
自閉症スペクトラム障害(ASD)