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原爆による障害〜被爆者のために行われていること
出典:http://www.photo-ac.com
1945年、広島と長崎の2都市に原爆(原子爆弾)が投下されました。強烈な熱線や放射線が放たれ、高温の爆風も発生し多数の被害者がでました。70年以上たった現在もいろいろなところで語り継がれています。
原爆による障害
原爆の投下により、その後多くの人が障害をもつことになりました。
①放射線障害
放射線による被曝が原因です。主な症状としては下記のことなどが挙げられます。
・各臓器にダメージ、機能障害の発症
・髪の毛など脱毛の進行
・意識障害
・皮膚の炎症(皮膚表面が発赤する紅斑となる)
・永久不妊の症状
被曝量が少ない場合はすぐには発症せず、数カ月〜数年後に初めて発症する場合があります。現在も放射線の影響などで健康に影響を受け続けている人が存在しています。
②後世代的障害
遺伝により生まれた時から障害をもつ場合もあります。被爆者の子孫などに現れます。「発育遅延」「機能的異常(奇形)の発生」などが障害例として考えられています。
原爆症認定制度について
原爆が原因である障害は国負担で医療給付が受けられる制度があります。条件によって手当額が分かれます。制度を利用するためには被爆者健康手帳の交付が必要です。申請条件には下記などがあります。
・直接被爆者である人
・原子爆弾投下の直後に2km圏内に入った人
・死体の処理及び救護にあたっていた人
・上記3つのいずれかに該当する人の胎児
この手帳を取得することにより、医療特別手当や保健手当などがうけられます。医療費が無料となることもあるそうです。手帳保持者は平成27年4月時点で約18万人となっています。
今年2016年5月、アメリカ大統領のバラク・オバマが被爆地である広島を訪れました。オバマは原爆死没者慰霊碑前に献花を行いました。演説終了後、被爆者のもとへ行き握手をしながら通訳を交えて会話をしたそうです。今後も原爆における後世代の障害は新たにでてくるかもしれません。しかし、原爆、核兵器による障害で苦しむ人が2度と出ない平和な世界であり続けることを願います。