「一期一会」 佐久間勇人の2018年自由日記 vol.10
『佐久間勇人の2018年自由日記 』vol.10 <毎月30日連載>
2018年10/13~10/15、第18回全国障害者スポーツ大会が開催された。「福井しあわせ元気大会」だ。2015年のわかやま大会から4年連続で出場できた。昨年までの大会では自分自身がエントリーしてきた種目全てにおいて大会新記録を出すことができ、記録保持者となれた。
今年は病気の進行が昨年よりも酷くなり、障害のクラス区分が重いクラスに変わっての出場だ。私の場合、症状が常に進行しているので覚悟の上ではあるが、もう自分自身の記録を塗り替えることはできない。でも、考え方を変えると進行性ゆえに以前のクラスと今回のクラスと2階級制覇を目指すことが出来る。そんな気持ちで、今大会へ挑戦した。
種目は25m自由形・25m平泳ぎ。結果は、25m自由形では金メダル・25m平泳ぎでは大会新記録で金メダルだった。全種目大会新記録を打ち立てることで、記録にも記憶にも残る完全2階級制覇を狙っていた。だから悔しかったけれど、現実問題、今大会の出場種目では難しいと思っていた。
しかし!、まだ目標が無くなったわけではない。来年は茨城県開催で、そこを目指すことが出来る。大会新記録を出すことは簡単では無いのだと改めて思ったし、5年連続出場へ向けての猛烈なモチベーションにもなった。
そして今回の大会では泣いた。最近、涙腺が弱いのも確かだが、泣けた。大会スタッフや大勢のボランティアの存在の大きさを改めて実感したんだ。きっかけは私達に付き添ってくれた学生ボランティアだった。いつもは県代表選手達には二人のボランティアが付いてくれるんだけれど、今回は都合があったらしく千葉県付は一人となった。その彼はたまたま担当になっただけだ。一回りも二回りも年上の大人、しかもハンデを持っている人たちを担当することになって、不安で不安でしょうがなかったと思う。大会期間だけの繋がり、一期一会だ。彼の不安を感じ取った時、私はとにかく少しでも接しやすいようにと、「笑顔」でいることを意識した。そして彼はそれに応えてくれるように、不安を消し去り、笑顔で一生懸命サポートをしてくれた。
「笑顔」は「みんなが集まってくる」そのことをこの病気になって学んだ。根底にあるのは安心感なのかも知れない。笑顔は安心感を与え、状況や環境が違う者同士でも、人として対等なんだとまでさえ気が付かせてくれる。スタッフ、ボランティア、選手、心が通じ合っているなと思えた瞬間に、涙が出た。
表彰式では母校の先輩と3年連続で喜びを分かち合うことができた。かつては全寮制であり同じ規律のもとで生活をし、よく寮時代のあるあるネタで笑いあう。年代は少し違うけれど、特殊な共通ネタはやっぱり楽しい。そもそも同じ水泳チームに母校の先輩が居たのも驚きで、そして、そんな先輩の存在がまた私には大きかった。
大会に出て仲間とこうして称え合う、記録では得る事のできない感情がこみあがった。
☆☆☆お知らせ☆☆☆
昨年、私の病気の患者会ではJAPANGIVING(クラウドファンデイング)でプロジェクト支援のお願いをしました。内容は神経難病SCD(脊髄小脳変性症)・MSA(多系統萎縮症)に対する社会的認識の向上、原因の究明と治療法の確立への支援でした。その節はご支援くださりまして誠にありがとうございました。
今年も同様のプロジェクトを同じ病気の仲間と共に挑戦中です。ご支援頂いた資金は、先ず私たちの抱えている難病の知名度を上げて、認知度を広めていくための活動に使用させていただきます。また、国に対する陳情なども行います。それらの活動により、病気の原因究明に向けた研究活動及び治療法開発の活性化に繋げていけたらと考えています。
少しでも患者会の活動資金を集められるように、自分の頑張りをチャレンジとして下記サイトに掲載しております。
ご支援頂いた資金は、先ず私たちの抱えている難病の知名度を上げて、認知度を広めていくための活動に使用させていただきます。また、国に対する陳情なども行います。それらの活動により、病気の原因究明に向けた研究活動及び治療法開発の活性化に繋げていけたらと考えています。少しでも患者会の活動資金を集められるように、自分の頑張りをチャレンジとして下記サイトに掲載しております。
心のどこかに刻んで頂けるだけでも有難いです。是非ご覧ください。
https://japangiving.jp/fundraisings/33869