精神科ショートケアという選択肢〜社会復帰へのリハビリプラン

暮らし

unsplash-logo Helena Lopes

気持ちが沈み、うつを患ったとき家にこもりがちになった経験がある方が多いと思います。一度ひきこもりがちの生活に入ると、外出することに抵抗感を覚えてしまいます。私はうつで家にこもっていた頃は、すぐ近所のコンビニへ足を運ぶことでさえ一苦労でした。そんな状態で社会復帰は程遠いと思い、ショートケアを併設している心療内科へ転院した時のお話をいたします。

ショートケアを知ったきっかけ

当時の私は相性が合う主治医がおらず、家族以外とコミュニケーションをとる機会が極めて少ない状態でした。自然と人と接することに不安や恐怖感を抱くようになってしまい、「このままではいけない」と思い始めました。そこで私は精神障害うつに理解のある環境で人と接することができる場所をWEBで検索したところ、近隣の心療内科にショートケアを併設しているクリニックを見つけました。プログラム内容もホームページに記載されてあり、一日3時間程度の利用時間で自分でも通えるのではないかと思い、早速アクセスして面談を受けにいきました。

ショートケア体験

皆さんは精神科のショートケアルームと聞くとどんなイメージを浮かべるでしょう?私はおとなしい雰囲気でスタッフの福祉士さんの進行のもと、プログラムを淡々と行う場所ぐらいに思っていました。ところが私が体験したショートケアルームはとっても和気あいあいとして利用者の皆さんが楽しそうに過ごされていました。利用者の世代もばらばらで、プログラムを体調や気分にあわせて参加されていました。久々に人と接した私は緊張で利用者さん達に声をかけることができずに心細くしていましたが、すぐにスタッフさんが隣に来てくださって明るくおしゃべりできる雰囲気にうながしてくれました。プログラムは参加者が協力して行う内容が多く、自然と会話のきっかけになったことも助かりました。私は三日間体験したのちに利用を決めました。

ショートケアで生活リズムを取り戻す

家にこもりがちだった頃の生活リズムは、とても不規則で健康とは程遠いものでした。一般の方で学生なら学校へ、社会人なら会社へ、決まった時間に向かうため自然と生活リズムができるものです。そこで私は午前のショートケアに毎日通うことにしました。9時過ぎにショートケアルームが開き、12時過ぎに終え帰宅する。体調の回復途上だった私にはちょうどいい負荷で、利用者さん達ともだんだん打ち解けていく過程でコミュニケーションの対人不安が軽減されていきました。料理を皆で決めたメニューを作り食べる。オリジナルの頭と身体を同時につかうミニゲームをする。トランプやUNO、将棋や麻雀までパーティーゲームも揃っており、休憩時間に皆でわいわいと過ごす時間は楽しくて明日も行きたいと思える場所でした。

体調の回復と就職へ向けた取り組み

ショートケアへ安定して通う日々を過ごすことで、心身ともに回復することができた私は社会復帰について検討するようになりました。福祉士のスタッフさんは私の体調や出来事などまめにコミュニケーションをとって理解を深めてくださっていたので、就労についても様々な選択肢があることを教えてくれました。作業所や短時間アルバイトで身体を慣らすこと、障害者枠の求人があること、そこに就職するために就労移行支援施設があること等です。それまでの私はうつや発達障害を診断されてからも障害を隠して一般就労しては挫折を繰り返していたので、精神障害をオープンにして就労することを目指すことにしました。

現在私は就労移行支援事業所へ通いながら、土曜日や診察日にショートケアに立ち寄りスタッフさんや利用者の皆さんと和気あいあいとのんびりしたひとときを過ごす利用をしています。地域の医療機関によってデイケアであったり私の通っているショートケアのような形態だったりと様々ですが、ご興味を持ってくださった方はぜひ近隣の医療機関を検索されてみてはいかがでしょうか?

きゃんどる

きゃんどる

自閉症スペクトラム・双極性障害の30代男性です。
趣味はフットサル・クロスバイク
カラオケの18番はチェッカーズのジュリアにハートブレイクです。

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