尋常性乾癬の精神疾患との共存の難しさ
暮らし その他の障害・病気出典:Photo by Ethan Hasenfratz on Unsplash
わたしはかれこれ1年半ほど、尋常性乾癬(じんじょうせいかんせん)という皮膚の病気に悩まされています。
この尋常性乾癬(以下、乾癬)自体は障害ではないのですが、鬱などを抱える精神障害者であるわたしが、この皮膚の病気から受ける精神的なダメージについて考えてみました。
尋常性乾癬とは?
"乾癬とは、皮膚の表面の細胞が過剰に増殖することで銀白色の皮膚の粉(鱗屑:りんせつ)が付着した赤い皮疹(紅斑:こうはん)が全身に生じる病気のことです。
乾癬は併発する症状に応じていくつかのタイプに分かれています。尋常性乾癬とは乾癬の中でももっとも多い病気であり、乾癬患者の約90%を占めます。
尋常性乾癬では、乾癬特有の皮膚症状が全身にみられます。皮膚症状の大きさ・数・形はさまざまで、皮疹同士がくっついて大きな病変をつくることもあります。尋常性乾癬は青壮年期に発症することが多く、発症により生活の質が低下し、精神的な影響が生じることがあります。"
こちらは医療系サイトのメディカルノート様からの引用になりますが、とても簡単に説明すると「全身の色々なところにカサブタができてツラい!」という感じです。
かゆみをともなう場合もありますし、朝起きたらベッドにたくさんの皮膚のカケラが落ちています。服についていた場合はフケのようにも見えるので、清潔感を損なうのもストレスです。
鬱との関係
精神的なことに関しては、わたし自身の普段の生活や体験から感じるものになってしまうので、医学的な確証があるとは限らないことを、あらかじめお詫びしておきます。
この乾癬になってから、まず睡眠が不安定になりました。というのも、カサブタが痒みをともない、体中が痒くて寝付けないのです。そして乾癬の恐ろしいところは、掻いたところや刺激を受けたところ、傷になったところなどが新たな乾癬になるのです(ケブネル現象)。痒いから掻いてしまうと、紅斑がある場所の近くに別の紅斑ができて……といった悪循環に陥ります。
「寝付けない」「痒い」「痒いけど掻くと悪化する」「寝ている間に掻いて悪化している」という負の連鎖によって精神的ストレスはとても大きくなり、気分が落ち込むことが多くなりました。
また、乾癬が顔~頭皮に発症することにより、人と対面することにも少し抵抗があります。前述した「フケに見えるカサブタ」のせいで外出も億劫に、帽子を被らずには出かけられません。
自傷行為との関係
精神障害を抱える人の中には「自傷行為」をする人は少なくないと思います。わたしもそのひとりであり、軽いものでは「爪を噛む」「髪を抜く」「太ももを叩く」などがあります。
ではそんな自傷行為と乾癬がどういった関係があるかというと、常にからだのどこかにカサブタが発生しているので、それを剥がすこと、時には血が出たりすること(アウスピッツ現象)もありますが、その自傷行為の「快感」をいつでも味わえてしまうのです。
悪い意味で「自傷行為と相性がいい」と思います。自傷行為をする方ならすぐにわかると思います。いつでも剥がせるカサブタがあるという喜びと恐怖。
自分を痛めつけることに多少の快感をおぼえてしまう性格というか自傷癖のおかげで、さらに治療が長引いてしまうのです。
完治は難しい
尋常性乾癬は、現在では完全に治療することは不可能ともいわれています。
ですが、皮膚の症状をなくすこと(寛解)は、患者全体の30~70%で可能になっています。
わたしもまだまだ長い戦いになるとは思いますが、寛解へ向けての治療をおこない、いつかこのカサブタとお別れしたいものです。
参考文献
メディカルノート:尋常性乾癬の基本情報 https://medicalnote.jp/