HSPと、ともに。

HSCの困りごと〜非常に敏感な子どもは、どんな事に生きづらさを感じるのでしょうか?〜HSPと、ともに。<vol.23>

HSPと、ともに。vol.23 <毎月1日連載>

5人に1人の割合で存在するHSCは、どんな事に生きづらさを感じるのでしょうか?
(参考:HSCとは?私も人一倍敏感な子ども時代を過ごしました

敏感な子どもは、非常に傷つきやすく大きな音や声に必要以上にびっくりしたり、急かされたり監視されたり、予定変更に不安やパニックになるかもしれません。他のおおらかで元気な子どもと比べて育てにくく大変だと思うかもしれませんが、HSCは人の気持ちに敏感なため、誰かが辛い思いをしていると気づきますし、おとなしいけれど、いじめなどもしない、とても平和主義で優しい子が多いと言われています。それでは、HSCは特に学校生活でどんな事に困っているのでしょうか?

私もHSCでした。HSCは特性で、障害ではありません。大人になってから気づいたのですが、私は学習障害(LD)や自閉傾向もあり、発達障害も併発しています。今振り返ってみると、周りの子どもについていけない事がたくさんありました。幼少期は、親や周りの人たちから期待されているように感じていました。たくさんの習い事や可愛い服を着せてもらっていました。小学3年生くらいからできない事が出てきて、自分でも焦ったり、親も悩むようになりました。

まず、マラソン大会の順位が落ちました。真ん中くらいの順位だったのですが、だんだん後ろの方になってきました。走ると呼吸困難の症状が出てきました。また、算数の勉強についていけなくなりました。難しい計算や、漢字を覚えるのも難しくなってきました。友人もたくさんいて可愛がってもらっていたのですが、2人で遊んだり、少人数で話す方が居心地が良くなってきました。習い事のバイオリンが難しく、よく先生に怒られるようになりました。初めから楽譜が読めなかったのですが、先生が怖いので、その事を言えませんでした。ずっと耳で聞こえる通り覚えて演奏をしていましたが、だんだん覚えて弾くことができなくなってきました。

給食で食べられないものもたくさんありました。クラスの子たちが騒ぐ事をうるさいと思ったり、意地悪な子が苦手で関わるのがストレスになったり、先生に注意されるのも怖かったです。今思えば、小中学校の先生は優しい方が多く、トラウマになるような怒り方をする方はいなかったと思います。先生に声をかけられるという事自体が怒られたらどうしようというふうに、敏感に恐怖に感じていたのかもしれません。

勉強は全般的に苦手でしたが、国語だけは好きでした。文章を書いたり、教科書を読むのが楽しかったです。読書も大好きでした。その他、絵を描いたり、運動会のダンスや合唱やミュージカルなど歌を歌うことも楽しくて好きでした。友人付き合いはあまり得意ではありませんが、母や父や、祖父母やペットが大好きでした。

母がものすごく社交的な性格で、家の前や家の中に近所のおばさんや友人がたくさんいる事が多く、ものすごくストレスに感じていました。旅行も母の仲の良い家族と一緒に行く事も多く、それも苦痛で、本当は自分の家族だけで行きたかったのですが、母が特に楽しそうにしていたので私も文句を言う事はなく、少しくらい自分の気持ちを母に伝えても良かったと思います。HSCは、人の感情や行動をよく観察しています。自分の事より、相手の気持ちを優先する事も多いです。自分が苦痛でも、楽しそうな母を見ているのが幸せなので、自分の感情を我慢してしまいます。

母と2人でTVを見ているだけで、スーパーに行くだけで、特別な事をしなくても楽しくて幸せでした。高校生の頃に母を病気で亡くしたので、その事を伝えたら良かったなと今も思います。母は仕事も家事もテキパキと手際よくこなすタイプで、全く似ていない特性がある私を育てるのが大変で、ストレスがあったのかなと残念に思う事もあります。昔はHSCや発達障害について何の情報もなく、子育てに悩んでも相談する場所もなかったのですが、今は本やネットなど、たくさんの情報も得られますし相談する場所も増えて、良い時代になったと思います。

HSCは、自己肯定感を持ちにくい傾向にあります。ちょっと注意されただけでも、否定の言葉に敏感で自分のすべてを否定されたように受け取ります。それが何度か続くと、自分は要らない人間なんだ、ダメな人間なんだとネガティブに考えてしまいます。怒られても、ヘラヘラとあまり気にしない子どもと比べて明らかに差が出てしまいます。見捨てられたらどうしようと不安や恐怖を感じ、良い子を演じて我慢してしまう事があります。それが後々、心の病につながります。赤ちゃん返りやわざと愛情を試すような行動をしたり、パニック発作を起こしたり、不登校になる事もあります。特に親がどんな時も自分の味方であるという安心感が大切になります。

集団生活も苦手です。教室にいるだけで、いろんな刺激に疲れます。基本的にみんなと同じようにできる事が良い事で、集団の中で優れている子、社交的で明るく元気な子が良い子と思われがちですが、HSCは集団の中ではのびのびするどころか萎縮してしまい、引っ込み思案だとか、おとなしい子というレッテルを貼られてしまいます。どうしてみんなと同じようにできないんだろうと悩み、自己肯定感が持ちにくいのです。

手を挙げて発表するのも、騒がしいのも苦手で疲れてしまいます。親や先生など少数でもその子の良いところを見つけて、褒めて伸ばしてあげると良いと思います。もともと良い子が多いので、あまり怒らずに子どもの言う事は信じて、共感したり、抱きしめたり、安心させてあげると良いでしょう。また、ゆっくり話を聞いてあげる事が大切です。他の子と比べないで、その子のペースを尊重しましょう。人一倍敏感な子どもは、みんなの笑顔が大好きでとても安心します。その子らしさを発揮してくれるでしょう。

川田 直美  障害者ドットコム株式会社スタッフ

川田 直美  障害者ドットコム株式会社スタッフ

生まれながらのHSP、発達障害(学習障害・LD)やパニック障害を抱え、生きづらさも感じながら、日々楽しくいこうと考えている。今まで、花屋、ケーキ屋、カフェ、デザイン企画、オリジナル雑貨制作などいろいろな仕事を経験。自然と犬と本が大好き。

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