向精神薬〜その副作用とは

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皆さんは毎日何錠の薬を飲んでいますか?私は毎日計4種類の薬を1日3回服用しています。私の知り合いは、一回あたり20錠もの薬を服用している人もいました。そんなに薬を飲んだら、その副作用でかえって状態が悪くなるのではと思ったことがありました。

薬が多すぎるのでは?

医師はもちろん、患者の状態を見て薬を処方しているとは思いますが、20錠は多すぎると思います。精神疾患者の服薬量は平均どれくらいなのでしょうか?以前に福祉の資格を取るための講義で、精神科の医師が「薬は飲まないか、飲むなら少ない方が良い」と言っていました。たくさん薬を服用することが、治療効果があるようには思いません。ここでは、私が罹患している精神疾患である統合失調症と強迫性障害の2種類について、薬の効能と副作用について触れてみたいと思います。

統合失調症と薬

まず、統合失調症について簡単に触れたいと思います。私たちは日常的に脳内の精神機能のネットワークを使って、喜怒哀楽といったさまざまな感情の元に常に思考しています。ところが、何らかの原因でさまざまな刺激や情報に過敏になりすぎてしまい、脳が対応できなくなり、精神機能のネットワークがうまく働かなくなり、感情や思考をまとめてあげることができなくなる状態が統合失調症です。

症状は大きくわけて、幻覚や妄想などの「陽性症状」、意欲が低下する「陰性症状」、臨機応変に対応しにくく日常生活に困難をもたらすことがある「認知機能障害」に分けられます。現在私はジプレキサとリーマス、ワイパックスという3種類の薬を服用しています。

ここではまずジプレキサについて触れます。ジプレキサの効能としては、脳内の神経伝達物質の受容体に作用します。幻覚・妄想、強い不安感やイライラ症状の改善、気分の安定化などがあります。また、躁鬱症状を改善します。ジプレキサの主な副作用としては、不眠、アカシジア(じっとしている事ができない)便秘、体重増加、鎮静(心が落ちつく)、口渇、傾眠、食欲亢進、過眠症などが報告されています。まれに、高血糖、糖尿病性ケトアシドーシス、糖尿病性昏睡、筋肉のこわばり、リンパ節のはれなどのような症状があらわれます。

次はリーマスについて調べてみました。効能としては通常、躁病や躁うつ病の躁状態に用いられ、中枢神経に作用し、感情の高まりや行動を抑え気分を安定化させます。主な副作用として、手足の震え、嘔吐、意識がぼんやりする、のどの渇き、下痢、尿量の減少、全身倦怠感などが報告されています。

続いて、ワイパックスについて調べてみました。通常、心身症(自律神経失調症、心臓神経症)における身体症候並びに不安・緊張・抑うつの治療に用いられます。効能としては中枢神経系のベンゾジアゼピン受容体に結合し、不安や緊張を和らげます。
主な副作用として、めまい、ふらつき、眠気、頭痛、吐き気、胃部不快感、食欲不振、口渇、かゆみ、発疹、浮腫・血管性浮腫、呼吸困難、また、意識が乱れ正常な思考ができない、考えがまとまらないなどが報告されています。まれに服薬中止によりけいれん・幻覚・手足の震え・不眠・不安などが現れたりします。

以上の副作用以外でも気になる症状が出た場合は、医師または薬剤師に相談してください。

強迫性障害と薬

次に強迫性障害について簡単に触れたいと思います。自分の意思に反して、不安な感情に苛まれ、不合理な考えやイメージなどの強迫観念が頭に繰り返し浮かんできて、それを振り払おうと同じ行動(強迫行為)を繰り返してしまう病気です。

私はデプロメールという薬を服用しています。通常、うつ病・うつ状態、強迫性障害、社会不安障害の治療に用いられます。デプロメールの効能としては、脳内のセロトニン取り込みを阻害することにより、憂鬱な気持ちや落ち込んでいる気分を和らげます。主な副作用として、口渇、吐き気、便秘、眠気、倦怠感、めまいなどが報告されています。まれに、けいれん、意識がうすれる、呼吸困難、筋肉のこわばりなどの症状があらわれることがあります。

主立った副作用を挙げてみました。ほかにも報告されている副作用があります。上記の症状はもとより、上記以外でも気になる症状が出た場合は、医師または薬剤師に相談してください。

主治医から処方された薬を何気なく毎日飲んでいますが、こんなにも重い副作用があるとは知りませんでした。ただ単に処方された薬を飲むだけでなく、副作用についても調べてみて、気になることがあるとその都度主治医と相談することが必要だと改めて思いました。

参考文献

統合失調症ナビ
https://www.mental-navi.net/togoshicchosho

くすりのしおり
http://www.rad-ar.or.jp

無意味な行為が止められない〜強迫性障害
http://www.myclinic.ne.jp

yukoばばあ

yukoばばあ

52歳。30代から統合失調症になる。40代になって強迫性障害も発症する。幻覚、幻聴、妄想状態になり、現実と妄想の区別がつかなくなるが、入院治療と退院後は服薬治療で症状は治まり安定している。強迫性障害は継続中で、すぐに不安になり確認行為が続いているが、少しづつ回復に向かっていると思う。これまでに事務職や相談援助職をを経て、現在人生最後の就職活動中。自分が建てた家の中庭を見ながら過ごす休日に癒されている。

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