幻覚って知ってる?〜体験者は語る

統合失調症

私は子どもの頃から、たまに幻覚と言う言葉を耳にした覚えがあります。当時の私は何かの錯覚かその人の勝手な思い込みだと思っていました。そして、そんな思い込みをする人を、ちょっと異常な人だとも思っていました。まさか自分に幻覚が現れるようになるとは夢にも思いませんでした。

幻聴と幻視

幻覚とは実際には何もないのに、何かがあるように感じてしまう感覚のことです。幻覚には、幻聴、幻視、幻臭、幻味などがあります。その中で、幻聴と幻視について実体験をもとに触れたいと思います。

数年前のことです。一人でぼやっとしていると、小さい子どもの「ギャー、お前を殺してやる」という声が聞こえてきました。若い女性が人の目を自分に引きたくて、小さい子ども、それも赤ちゃんの首をしめている姿が見えてきました。首をしめられている子どもは必死で、自分の首を絞める女に対して、「お前を殺してやる。」と叫びます。私はどうにかしてその子どもを救えないものか考えてしまいます。そして、こんなことをするのは、一人の女性だけではなく、複数いました。

また、こんな経験がありますたくさんの男女が私の悪口を言います。男性が女性に言わせます。日本人だけでなく外国人もたくさんいます。私も負けじと悪口で反論していました。この幻聴と戦っているときは自分は正常だと思っていましたが、私はすでに精神疾患にかかっていたのです。

あるときは、8歳程度のアメリカ人の男の子が1人、5歳程度のアメリカ人の男の子が4人、私の知り合いの家のドアを叩いて、5歳の子が順番に「僕たち惨めですか?」「僕たちみっともないですか?」「僕たち情けないですか?」「僕たちみすぼらしいですか?」と言い最後に8歳の男の子が「どうせ僕たち誰にも助けてもらえないのでしょうね。」と言いました。私はどうしたらよいのかわからず、この子たちを何とか助けてあげたくてもどうすることもできず、ただ傍観するだけでした。もちろん幻覚の話です。

幻覚を自分なりに分析して

幻覚は特別な人に起こる現象ではなく、人間誰しも精神的にまいってくると、幻覚のような症状は出てくると私は思います。また、幻覚がある種の現実味を帯びていることも少なくないと思います。だから幻覚を現実だと思い込んでしまうことも多々ありました。幻覚や幻聴から頭の中で物語的に話が進行します。身近な人もたくさん幻覚や幻聴に登場してきます。知っている人、知らない人、日本人、外国人等々、出演者はいろいろで、物語的に話が頭の中で進行していきます。この幻覚の症状は統合失調症に多く、他の多くの精神疾患でも見られるそうです。私の場合、幻聴と幻視がほぼ同時に現れました。

私も経験から幻聴や幻視のことを家族や友達に話をすると、一様にあきれたような、変な表情をされます。皆経験がないからわからないみたいです。私は幻聴も幻視も経験しましたので、自分と同じように幻聴や幻視で苦しむ人の気持ちがわかります。現実と非現実の区別ができなくなり、どんどん妄想が膨らんでいきます。自分独特の世界に入ってしまって本当にしんどいのです。

つらつらと自分の体験談の一部を書きましたが、私はかなり重症だったと思います。今では幻覚はありません。過去の幻覚を時より思い出しては、「ばかなことを考えていたなあ」と自分を振り返って反省しています。今ではちゃんと現実を直視できています。幻覚や幻聴に苛まれると、精神的にも肉体的にも本当にしんどいです。もう二度とこんなしんどい状態にはなりたくないです。たまに過去の幻覚を思い出すくらいで、今現在は幻覚も妄想もありません。日々、心穏やかにゆったりと過ごして、自分にとって過ごしやすいマイペースをつくっていきたいと思っています。

参考文献

精神疾患にかかわる人が最初に読む本
著・イラスト原案:西井重超(はたらく人・学生のメンタルクリニック院長)

yukoばばあ

yukoばばあ

52歳。30代から統合失調症になる。40代になって強迫性障害も発症する。幻覚、幻聴、妄想状態になり、現実と妄想の区別がつかなくなるが、入院治療と退院後は服薬治療で症状は治まり安定している。強迫性障害は継続中で、すぐに不安になり確認行為が続いているが、少しづつ回復に向かっていると思う。これまでに事務職や相談援助職をを経て、現在人生最後の就職活動中。自分が建てた家の中庭を見ながら過ごす休日に癒されている。

統合失調症

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