“体験談を書く”ということ~障害を持つ自分を見つめ直す

発達障害
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企業実習というご縁があり、今まで3本のコラムを書かせて頂きました。3本とも全て自分自身の体験談を交えたコラムとなっています。今回はそんな3本のコラムを書いてきた中で自分が感じたことを書いていきたいと思います。

実習後も仕事のことを考えてしまう!?

自分は基本的に、仕事以外の場では仕事のことについて考えない方の人でした。無論、仕事での印象的な出来事を思い返すこともありますが、特に仕事の内容までは考えることも無かったように思います。どちらかといえば仕事帰りの買い物や娯楽趣味、あるいは夕食などの事で頭が一杯になっている状態ですね。 しかし、コラムを書き始めて数日経った頃でしょうか、1本目のコラムを仕上げた頃の帰り道、いつの間にか“次は何を書いてみようか”と考えていました。これは自分にとって大変衝撃的でした。帰宅後の娯楽やら何やらより、仕事を優先している自分に驚いたものです。周囲の方にこのことを話すと、“仕事の時間以外に仕事のことを考えてしまうと疲れてしまうから控えた方がいい”という意見を頂きました。自分としても同意見で、元々そういった考え方もあってプライベートでは極力仕事のことは考えないようにしていた節もあります。 ですがよくよく考えてみると、体験談からコラムを書き出しているため、“コラムの事を考える”ということと、“自分自身のことについて考える”ということが同一とまでは言わないにしろ、大幅に重なっているのではないかと思いました。仕事のことを考えているようで、実は自分自身について考えていたのではないか、という気もします。ただ、仕事とプライベートが曖昧になっているのもまた事実であるため、“プライベートではなるべく仕事のことは考えない様にしつつ、何か思いついたらその時は仕方ないのでメモだけ取る”というスタンスで過ごすことにしました。折角ネタが出てきたのにフイにするのも勿体ないので・・・。

自分自身の特性を思い返す

プロフィールにもあるように、自分はADHDと軽度のASDを持っています。この2つを併発していることもあって、自分でも自身の特性を掴み切れていない面がありました。今回、体験談を書く上で自分の体験や傾向を見直したり、ADHDやASDの特性について多くの時間を取って調べたりすることで、自分自身の特性について多少なりとも知ることが出来たように思います。特に、趣味だけではなく仕事の場でも軽く過集中を起こすことがある、ということを知れた点については大きな収穫でした。 また、自身の特性や傾向をある程度掴めたことで、日常生活や仕事での活かし方に目が向くようになったことも収穫でしょうか。実習での活用例としては、あちこちに気が逸れる点をコラムの題材探しに活かせている気はします。ただし、単にあれこれ思いつくだけではすぐに忘れてしまうので思い付いたことや書きかけのコラムは必ず残すようにしています。文字として残しておくことで、一度ボツにしたアイデアを別のコラムの一部として復活させることもありました。多動性・衝動性という特性に記録という工夫を加えることで、プラスの方向に活用している形ですね。

おわりに ~自分のことを文字に起こす

さて、このコラムでも自分の経験を文字という形で表現することとなりました。これまでのコラム作成でもそうですが、書いてみたい話題をいざ文字に起こしてみると中々筆の進まないことも多々ありました。やはり言葉だけ知っていてもそれに対する知識や経験が無ければ文章を書き起こすことは難しいようです。では自分自身が経験したことなら筆が進むかといえば必ずしもそういう訳ではなく、印象的な経験はあるものの、それは本当に障害特性が影響しているのか?という確信が中々得られず、改めて特性について調べ直す、と言ったことも頻繁にありました。2週間という時間を、自分自身の特性や特徴、経験を振り返り、一般的に症状として挙げられる特性と照らし合わせることに使う、という経験は、障害のことをコラムとして書く機会が無ければ得られなかったように思います。 自分の経験や考えを文字に起こすということは、自分自身を振り返り検証し、理解し直すという良い機会になったと思います。この企業実習が終わってからも、“自分が考えていることを文字として見える形に書き起こす”ということはこれからも出来る範囲で公開する・しないに関わらずやってみようと思います。皆さんも是非文章を書いてみてはいかがでしょうか、思わぬ発見があるかもしれませんよ?

あなろぐ

あなろぐ

ADHDと若干のASD傾向持ち。紆余曲折あって現在はじめての自己分析中。三度の飯とゲームが好き。

注意欠陥多動性障害(ADHD) 自閉症スペクトラム障害(ASD)

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