セコラム!〜伴走者の立場から障害福祉を考えてみる〜

責任感が伴うことで働く意欲が高まるのだ(セコラム第27回)

仕事

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『セコラム!〜伴走者の立場から障害福祉を考えてみる〜』 vol.27
先日、ウルっとした出来事がありました。三休は就労継続支援B型事業所という位置づけで、障害のある人と一緒に日々働いています。農作業が中心ですが着物の糸外しなどの作業もしています。
メンバーの1人は手先が器用。そのため着物の糸外し作業をしていただきました。すると取り組めば取り組むほど自分なりのやり方を身に付け丁寧さとスピードが格段に高まりました。と同時に糸外しの作業に対しての責任が高まり、働く時間が長くなりました。
不要になった着物の縫い糸を全て外し元の生地に戻し、その生地を使ってドレスやクッションカバーなどを作るアップサイクルの最初の工程が「糸外しの作業」です。そのことをメンバーに説明し「自分のいま取り組んでいる作業」がどういうことに繋がっているのかをイメージしていただきました。自分が完成させたものが海外の方々へわたっている事実を知ることで仕事へのやりがいが高まっていくのだと思います。こんな寓話を聞いたことがあります。石を運んでいる人たちがいました。Aさんは「ただ石を運んでいるのだ」と答え、Bさんは「ピラミッドを建てているんだ」と、Cさんは「エジプトの文化をつくっているんだ」と答えたそう。これは仕事の目的をどう捉えているのかの違いで、仕事への取り組み方が良くも悪くもなることを伝えているのだと思います。「何のためにこれをしているのか」、三休で働くメンバーには丁寧に伝えています。
1着、2着、3着と完成させ、ついに納品する日が来ました。せっかくなのでメンバーと一緒に先方に納品しに行きました。完成品を手に持ち、先方にお渡しし、お金を受け取る、そして次の仕事をいただく。その一連の流れをメンバーにしていただきました。そのときの彼の表情は忘れられません。納品の帰り道、「もっと着物の糸外しをしたい。働きたい」と彼は言いました。
「責任感が伴うことで働く意欲が高まるのだ」
たくさんのメンバーと働く喜びやしんどさをもっともっと分かち合いたいと心に刻みました。

世古口 敦嗣(せこぐち あつし)

世古口 敦嗣(せこぐち あつし)

就職活動に失敗し、何となく障害福祉の世界へ。障害者が暮らしやすいまちをつくるNPO法人サポネや医療福祉エンターテインメントのNPO法人Ubdobeなどを経て、農業を中心とした障害のある人が働く拠点「三休 – Thank You -」を今年4月にオープン予定。それ以外にNPO法人月と風と理事やKAIGOLEADERS OSAKAコアメン、ふくしあそび探求舎代表を務める。

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