発達障害の特性による心身の不調~なぜ、発達障害だと疲れやすいのか

発達障害

出典:Photo by Emma Simpson on Unsplash

私は、去年発達障害(ASD)の診断を受けた者です。

前職で働いていたときは、まだ発達障害の診断が下りておらず、自分がそうだという認識がありませんでした。そのため、障害者枠ではなく一般就労で仕事をしており、合理的配慮を受けていませんでした。

しかし、今になって振り返ってみると、その当時から、障害特性に起因した心身の疲労が続いていました。

そこで、このコラムでは、発達障害と心身の疲労の関係について述べようと思います。

まず、第1章では発達障害の人はどうして疲れやすいかの説明と、私の場合はどのような理由で疲れやすかったのか、実際どう困っているかを説明します。

第2章では、前職で生じた心身の不調を何とか改善しすべく、藁をつかむ気持ちで様々な商品を試した中で、購入を後悔したもの紹介します。

第1章 どうして発達障害だと人より疲れやすいのか

なぜ、発達障害だと人より疲れやすいのでしょうか。東京にある発達障害専門病院「どんぐり発達クリニック」の院長 宮尾先生は次の5つの理由を挙げています。

環境にあわせるために神経をすり減らしている
感覚過敏 発達性運動協調障害
多動、衝動性
活動量が多くエネルギー消費が激しい
体や脳・心のON・OFFが難しい

この5つに関して1つずつ見ていきましょう。

環境にあわせるために神経をすり減らしている

発達障害の人は、定型発達の人が意識することなく、自然にできる行為であっても、頭をフルに使っていることが多くあります。例えば「場の空気を読む」「暗黙のルールを理解する」「他人の地雷(触れられたくない点)を把握する」などが挙げられます。

特に社会人として、会社という閉鎖社会に入る以上、その組織内の暗黙ルールや場の空気にある程度従わないと、肩身が狭くなることが多いです。そこでは普段以上に頭を使って、暗黙のルールや空気を読もうと努力する人も多いでしょう。

私も同じでした。特に前職は全社員10名前後の会社だったので、人間関係が悪化すると取り返しがつかないとの思いから、必要以上に空気を読む努力をしていました。ただでさえ、空気を読むために頭や神経を人より多く使わなけばならないのにも関わらずです。そうして気を張った結果、体ががちがちに凝り、肩こりや頭痛に悩まされることになりました。

環境にあわせるために神経をすり減らしている

発達障害の人の中には、定型発達の人より「刺激」に対して敏感な人がいます。刺激といっても音や光、匂いや痛み、暑さ寒さなど人によって様々な種類があります。そうした刺激によって神経をすり減らしやすい傾向があります。

私の場合は、特に「音や光」の刺激に対して敏感です。音に敏感なので、就寝時は耳栓が欠かせません。夜中に、近所の野良猫が縄張り争いや、異性を呼び出すために出す声をほんのわずかでも耳にすると、途端に寝られなくなるからです。また、前職では就業時間中、職場内でずっとラジオが流れており、非常にストレスでした。それに加えて、突然鳴り出す机上の電話の呼び出し音や、周りの電話で話している声も強いストレスの元でした。

同様に、光の刺激に対しても敏感です。就寝時には必ずアイマスクをして寝ます。朝方の僅かな光で目が覚めてしまうからです。さらにパソコンの画面からの光ですぐに目が疲れてしまいます。前職でも何とか目に対する刺激を少なくしようと、職場のパソコンにブルーレイカットのフィルムを張ってみたり、PCスタンドで画面の角度や高さを変えようとしてみたりと試行錯誤を繰り返していました。これに関しては、現在別の手段を考えている最中です。

発達性運動協調障害

発達障害の人の中には、人より不器用であったり、力加減の調整が苦手な人もいます。中には、服を着ることや靴紐を結ぶといった日常動作であっても苦労する人もおり、疲労感を感じやすい原因の1つとなっております。

私の場合、前職で働いていたとき、パンチ穴を正確にあける作業や、ファイルの背表紙を正確なサイズで作成する作業などが多く回ってきました。これらは、手先の器用さが必要だったり、事務道具を正確に使いこなせないと対応できない仕事のため、それ自体や上手にできないことへの無力感で、強い疲労感を感じることが多々ありました。

多動、衝動性 活動量が多くエネルギー消費が激しい

 

発達障害の人の中には、思考や行動のコントロールが効きづらく、日常で消費するエネルギー量がより多く必要な人もいます。それだけでなく、その衝動性をコントロールすることに神経をつかい、疲れてしまうケースもあります。

私の場合、衝動性はそれほど高くないですが、思考の整理をするのに独り言をする癖があるので、それを我慢するのに不必要なエネルギー消費があります。

体や脳・心のON・OFFが難しい

発達障害の人の中には、体や脳、心を休めることを苦手とする人がいます。

私の場合は、気分転換があまり得意ではないという特徴があります。嫌な気持ちを長い時間引きずったり、1度テンションが上がると元に戻るのに時間がかかったりといった具合です。実際、前職で働いているときは、家に帰ってもその日の注意や、出来事を引きずったまま、眠りについていたため、毎日のように仕事に関する悪夢を見続けることになりました。その睡眠障害を引きずったまま今にいたるので、退職後も睡眠薬を毎日飲んでいます。

第2章 疲れを取るべく購入したものの、購入を後悔した製品三選

    第1章で書いたように前職で働いていた時には、自分の障害特性も相まって心身ともにボロボロの状態でした。当時、身体の不調だけでも何とか改善すべく、藁をつかむ気持ちで様々な商品を試しました。その中でも購入を後悔したものが3つほどあります。それについて実体験を踏まえて紹介していきます。

電動式アイマッサージャ―

目を温めたり、マッサージしてくれる機能の付いたアイマスクです。目を労わることで、自律神経を休め、体や脳のON・OFFが難しい部分をフォローしてくれるのではないかという期待もありました。

購入を後悔している理由は、次のような欠点があったからです。

本体が意外と重くて、圧迫感がある

電動式アイマッサージャーの重量は大体400g~700gくらいあります。予想以上にずっしりとして、目に圧迫感を与えます。この圧迫感から、就寝時に使用したところ、起床時目が若干痛かったです。感覚過敏かつ神経質な私はこの圧迫感に耐えられませんでした。

あまり暖かくない

USBから充電するパワーの低いタイプではなく、コンセントから充電するタイプなので、温かさに期待していたのですが、正直あまり温かくなかったです。目に強く押し付けたら温かさをほんのり感じるかなぁというレベル。この温かさでは眼精疲労改善の効果はありませんでした。

結論

不調の改善を期待して購入したものの、残念な結果に終わりました。その後、試行錯誤の結果、電子レンジで温める手間を考えても、繰り返し使えるあずき入りの蒸気アイマスクの方がコストパフォーマンスが良いという結論になりました。温かさもしっかり感じ、200~300回使えて1200円程度で買えるので、こちらの方が良いと思っています。

お灸

薬局やインターネットで購入できる、自分でやるお灸です。100個入りで1500円程度のもので、敏感肌の人向け、初心者用のあまり熱くならないソフトタイプのものを購入しました。薄い円盤状のシールに小さな棒が付いていて、その棒に着火して温めるというものです。身体や心が緊張しやすい特性から、肩こりや頭痛の症状に悩まされており、その改善を目的に購入しました。

購入を後悔している理由は、次のような欠点があったからです。

ソフトタイプとはいえ熱かった

敏感肌の人向けの熱さ抑えめのソフトタイプとはいえ、付けた場所によっては赤くなるほどで想像以上に熱かったです。感覚過敏で刺激に強くないので耐えらませんでした。

火を使うので、とても神経を使う

お灸なので、当然火を使います。体にお灸本体を付けた状態で火を付けるので、恐怖を感じました。疲れた身体を癒すためにお灸を使っているのに、神経が疲れます。ただでさえ障害特性で身体や心のリラックスが不得意なのに、なおさら疲れる原因となってしまいました

結論

素人がお灸を自宅でやるのはハードルが高く、かつ神経を使うためあまりお勧めはしません。特に熱さに対する感覚過敏がある人は、例えソフトタイプのものであっても、使うのは難しいかと思います。

ノートPC用スタンド(固定式)

ノートPCを載せることで、文字の入力をしやすくしたり、作業をする際の姿勢をよくしたりするためのものです。私は、光に対しても敏感なため、画面の高さや角度を変えることで、PC画面から目に入ってくる光の量を少しでも減らしたいという思いがありました。

このスタンドにも様々な種類があり、高さや角度を変えられるものと、そうでないものがあります。私が購入したものは、高さや角度調整の出来ない固定式のものですが、次の点で使いづらさを感じました。

想像以上にスペースをとる

このPCスタンド、本体の下にキーボードなどを入れられる隙間があるとはいえ、意外とスペースを取ります。これなら、ノートPCに外部モニターとキーボードを繋げて、疑似デスクトップPCにした場合とスペースの占拠具合がそれほど変わりません。そのほうが調整がしやすいと思います。また、ノートPCに外部モニターを接続する方法を取ると、2画面で作業ができるというメリットも生まれます。例えば、片方の画面を作業の画面にして、もう一方の画面で資料を見るなどの方法を取ることで、得意ではないタスクの整理が可能になります。

画面の高さが目よりも高くなってしまい、眼精疲労が悪化した

スタンドの上にノートPCを置く都合上、そのままだと画面が目線よりも高い位置になりがちです。画面は視線の水平線上よりも下にした方が目が疲れにくいとされています。スタンドの高さが変えられないものだと、この高さ調整ができず、かえって体によくない状態で作業をすることになります。

結論

ノートPCスタンドを購入するにしても高さが変更できるものを購入したほうがよいと思います。高さを変えられないものを買うのはお勧めしません。また、ノートPCに外部モニターを接続する方法を取ると、タスクの管理がしやすくなるメリットも生まれます。このようなメリットも鑑みると、私はノートPCスタンドを使うよりは、外部モニターを接続する方法の方がよいと思います。

おわりに

  以上、何故発達障害の人は、定型発達の人と比べて疲れやすいのかについて、そして私が実際に疲労対策として購入するも、失敗した商品について説明いたしました。疲れやすい原因を自分なり分析することで、対策方法がみえてきます。その過程で失敗することもあるとは思いますが、試行錯誤をするなかで、自分にあった対処方法がみつかります。無理せず、少しずつ取り組んでいきましょう。

参考文献

【"パソコンの利用と健康 3.パソコンを使うときの姿勢:富士通"】
https://www.fujitsu.com/jp

【"【図表でわかる!】発達障害 × 疲れやすさ | その原因は?感覚過敏・発達性運動協調障害・睡眠障害…"】
https://www.teensmoon.com

ユタゾウ

ユタゾウ

一般就労するも、精神に支障をきたして退職。その時に心療内科の先生から発達障害のテストを受けるようアドバイスをもらい、その結果ASD(自閉症スペクトラム)の診断が出ました。

その後、就労移行支援事業所に通所し、就労を目指しています。

その後、就労移行支援事業所に通所し、就労を目指す。

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