発達障がい〜神からの贈り物〜

column11月号 自身を認めるとダメな人間になってしまう?(『発達障がい~神からの贈り物~』第96回)

発達障害

画像:Photo by Austin Schmid on Unsplash


『発達障がい ~神からの贈り物~』 第96回 <毎月10日連載>

前回のコラムで自身を認めることができるようになったことで人生が一変したと述べた。ただし、ある日を境に全てが変わったという訳でもない。今回はその辺りについてお話ししようと思う。

30代の鬱真っ只中だった私は不眠症もあいまって暇な時間をひたすら読書に宛てた。そんな中から『自身を認める』というキーワードに行き着く数冊の本と出会った。目から鱗が落ちるような気持ちで涙が溢れそうになる一方で、自身を認めるとダメな人間になってしまうという恐怖心も強烈に湧き出した。

今日様々な相談を受ける中で、自身を認めることを恐れる人に多く出会うが、過去の私も全く同様であった。

そんな私が自身を認めるに至るにはやはりそれなりの時間が必要だった。現在でも完璧に自身を認められている訳でもなく一生の課題かもしれないが、ある一定の受け入れができるまでに数年を要した。なのでその辺りも踏まえてゆっくり前進しようとアドバイスさせて戴くように努めているがなかなか伝わらなかったりもするが、過去の私を振り返ると仕方ないかも知れない。

さて、自身を認めてしまうとダメな人間になってしまうという考え方は間違っていたのか、この辺りが皆さんの興味の的ではないだろうか?これについて端的に私見を述べると自身を認めることによって立派な人間になれたなどと口が裂けても言えない。

ただし、ダメな自分を見つけても落ち込むことが無くなったことが大きな収穫だったと言える気がする。そもそも全てが思い通りに進む訳でもなく、思い通りにならなかったことに嘆いたり自己嫌悪に陥って思考停止するような時間のロスがなくなった。元々ダメな自分だからダメでモトモト、うまくいけばラッキー、という思考回路に切り替わってからは思いがけない成功にもありつけた気もする。

自身を認めることはダメな自分を許すことと同義かもしれない。何度失敗しても許される安心感が何度でもトライできる私を産みだした、そんな風にも思える。

自身を認めることは自身を過大評価するわけでも過小評価するわけでもなく、等身大の自身を受け入れること。そういう風にマインドリセットできるとそれなりに視野はきっと広がるはず。是非試してください。ただし前述の通り時間をかけてゆっくりゆっくりと。


公式ブログ https://ameblo.jp/suzie-net

Kei(ケイ)スズキ

Kei(ケイ)スズキ

★個人学習塾えるすた講師
★いずみハッタツ友の会代表、高知大学農学部卒
★過去職歴:放送ディレクター、スタジオ・ミュージシャン、カメラマン、道化師、学習塾経営、Webプログラマーなど
★10年の鬱の後に発達障害の診断を受ける。現在はピアカウンセリングサポートにも積極的に関わる。自称『人生を楽しむパイオニア』
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