ロボットを用いた育児体験プログラム、福祉大国スウェーデンから激熱情報がまた一つ

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Photo by Jason Leung on Unsplash

「知的障害者に子育ては出来るのか。健常者でも大変なのに…」とはよく言われるもので、知的障害者の出産を忌避するあまり強硬手段に出たグループホームも世の中には存在します。しかし、ロボットによる育児シミュレーションの存在を知っていれば、あのグループホームの対応も変わっていたのでしょうか。

「ベビーシミュレーター」というアメリカ製の赤ちゃんロボットがあります。これは実際の赤ちゃんのように泣いてオムツや授乳などを求めるロボットで、しっかり育児活動をできていたか評価することも出来ます。スウェーデンでは、子どもが欲しいという知的障害者に「ベビーシミュレーター」で育児の疑似体験をしてもらう取り組みが存在します。

数日間のベビーシミュレーターを経て、体験者は育児の大変さを現実的なものとして捉え、自己決定における大事な材料とします。首都ストックホルムの近隣都市ウプサラで臨床心理士として働くリディア・スプリンガーさんは、「実際の育児を体験することで、多くの人は『今は子どもを作るのを避けよう』となります。こうして待つ時間こそ、大切な時間なのです」「知的障害自体よりも、支援やストレスや経済状況といった環境要因の方が大きな影響力を持ちます。そこへ着目したサポートが必要です」と説明します。

スウェーデンといえば高い税金を代償とした手厚い社会福祉に定評があります。しかし、知的障害者の子育てに対する考えは日本とさほど変わらないそうです。「自分が死んだ後、誰が孫の面倒を見るのか」「知的障害の親に育てられることで子どもにマイナスの影響があるのではないか」といった疑問はスウェーデンでも当たり前のように叫ばれています。

そして、「福祉大国」としての立場を揺るがす動きが出ています。障害者の子育て支援に限らず、障害福祉全般に税金をかけすぎているという声が政治家からも上がっており、障害福祉に割くリソースが減らされるかもしれません。もしかしたら「障害者には高い税金だけがのしかかる国」へ転落する未来もあり得ますね。

参考サイト

「知的障害者にいろいろ教えたら出産が増えてしまう」は間違い。赤ちゃんロボットで疑似体験するスウェーデン、意外な結果に
https://news.yahoo.co.jp

遥けき博愛の郷

遥けき博愛の郷

大学4年の時に就活うつとなり、紆余曲折を経て自閉症スペクトラムと診断される。書く話題のきっかけは大体Twitterというぐらいのツイ廃。最近の悩みはデレステのLv26譜面から詰まっていること。

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