「蛙化現象」について

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恋愛心理において「蛙化現象」というものがあります。語源はグリム童話の「蛙の王様」からきており、蛙が美しい王子様に変わる場面から着想を得ています。

「蛙化現象」とは、片想いの相手から好かれていると気付いた途端に愛情が冷めてしまうという心の動きを指しています。両想いが発覚すれば儲けものと普通は考えますので、なかなか理解しがたいですね。元の童話と逆に、王子様から蛙に変わったような心境から「蛙化」と名付けられたそうです。「蛙化現象」が何故起こるか、どういう人に起こりやすいかは研究や調査が不足しており、何も分かっていません。そもそも最初に言われだしたのが2004年とかなり最近です。

ところが、ここ最近はZ世代(90年代後半~00年代生まれ)の間で「交際相手の些細な行動で愛情が冷める」という意味に変わってきています。愛情の冷めるきっかけは「陰口を叩く」「約束をドタキャンする」までは理解できますが、「走り方が変」「なんかキョロキョロしていた」といったくだらない理由がほとんどです。

Z世代式の蛙化現象については、SNSの普及が影響していると言われています。SNSで投稿されるのは概ね成功した人物像ばかりなので、長く浸かっていると完璧主義に陥ってしまい、些細なことで相手に幻滅しやすくなるのだそうです。それでも変に高い理想は持たず、「アバタもエクボ」と言えるようなパートナーに出会えることが大切であることに変わりはありません。

なお、これを言うZ世代は「元の意味(両想いだと冷める)を分かったうえで言っている」と強弁しますが、本当でしょうか。確かに言葉の意味は長い時を経て変わっていきますし、そのきっかけが誤用である例も少なくないでしょう。初めは誤用であっても、大多数が使えばそれが正しくなります。「姑息」「潮時」「役不足」などはいい例ですし、読み方だけでも消耗(しょうこう→しょうもう)新しい(あらた→あたら)着替え(きかえ→きがえ)輸出(しゅしゅつ→ゆしゅつ)と枚挙にいとまがありません。誤読の定着は、読みにくい方が淘汰された事情もありますが。

しかし、言葉の変化が国語力の低下とセットだとしたら、受け容れられるでしょうか。最近、「化学」を「ばけがく」と言ったVtuberが話題となりました。これは口頭でも同音異義語と間違えないように敢えて別の読み方を充てる、「説明読み」という気遣いです。説明読みの中でも頻出といっていい「科学/化学」や「市立/私立」ですら、この気遣いが分からないほど国語力の低い人間が大勢います。そんな中で「言葉は生き物だ」などと誤魔化され続けると、日本語は将来どのような変貌を遂げてしまうのでしょうか。


参考サイト

「蛙化現象」って何のこと?どう使う?意味が変わって流行語1位…Z世代や専門家に取材してみた
https://www.tokyo-np.co.jp

遥けき博愛の郷

遥けき博愛の郷

大学4年の時に就活うつとなり、紆余曲折を経て自閉症スペクトラムと診断される。書く話題のきっかけは大体Twitterというぐらいのツイ廃。最近の悩みはデレステのLv26譜面から詰まっていること。

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