母がアスペルガー症候群、父がカサンドラ症候群ともっと早く診断されていれば…正しく診断されることの大切さ

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出典:https://unsplash.com

父親は私が幼いころに双極性障害と診断されていました。子どもの頃、母親が父親を看病しながら働いて家族を養っていました。私自身は父親が病気なのは知っていましたが、何の病気なのかを他人から聞かれるのが恐くて、自分の家族の話は極端に避けていました。

その傾向は小学校に入学してからさらにひどくなりました。家族の話をするとそこから自分の父親の病気の話をしなければならなくなるかも知れないと論理を飛躍させた私は、学校への通いにくさを感じていました。それに加えて母親はなぜか私の朝の起床を手助けしてくれず、遅刻する時間まで寝ていても放置されたので、小学校へはほとんど毎日遅刻して通いました。父親は入院したり、退院したり、働いたり、入院したりを繰り返していました。こんな家庭環境だったので自分は周りにいる子どもたちとは何かが違うという感覚がありました。父親の病気のことがあるからそう感じるのか、もっとほかに何かがあるか、考えても考えても答えは出せませんでした。

つい1年前のことです。今現在通っているクリニックの院長に幼少期の話やら親の話やらをしたら、アスペルガー症候群という障害の話が主治医から出てきました。私はその言葉が気になりアスペルガー症候群に関する本を書店で探して読みました。読んでみてびっくり、本の中には母がいました。物事の捉え方、考え方が独特という点がぴったり当てはまっていました。

「新聞記事で人が亡くなっているという内容の記事なのにそれを読んで笑う時がある」「強いこだわりがある」「母は子どもたちがお腹を空かせているのにガスコンロが汚れてしまうという理由で家事をしようとしない」「洗濯物の干し方がおかしいと言い家族が善意で干した洗濯物を2時間かけて全て干し直す」など家事に関して偏ったこだわりがありました。

よく思い出して見ると病気だと言われていた父親から私は、お米の洗い方、魚のさばき方、他人との待ち合わせの仕方、時間に間に合うように荷物を準備する方法、などを学びました。母は、魚をさばけず、他人との待ち合わせに1時間遅れるのが普通で、荷物の準備は待ち合わせの時間から始める人でした。主治医曰く、「お母さんが”アスペルガー症候群”、お父さんが”カサンドラ症候群”でうつ病を併発していたのではないか」との話が出ました。とはいえ、主治医が母を診たわけではないので実際は何とも言えないとのことでした。

小学校、中学校のころの苦労話はまだまだいっぱいあります。それはもう済んでしまったこと。今、私の周りにはうつ病の人も、そううつ病の人も、発達障害の人も、アスペルガー症候群の人もいます。みなさん訓練を受けて、話も出来て、こちらの話も聞いてくれて、すばらしい人たちが少なくありません。うちの母も訓練を受けられる機会が開かれていたら…。うちの父の病気を正確に診断してくれる状況が私の幼い時に広がっていたら…。そういう世界が近い将来に来ることを祈って、私は言葉を発信しています。

kimitama

kimitama

2018年6月に発達障害との診断を受ける。大阪府下在住。結婚・出産・育児・死別などを経験。未来は希望だらけと信じて疑わない1976年生まれ。子供が成人年齢を迎えたことを機会に自分育て始めました。

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