自閉症スペクトラム障害の私がコミュニケーションを取る上で工夫していること

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出典: https://unsplash.com

私には自閉症スペクトラムという障害があり、幼い頃よりコミュニケーションにはかなりの苦手さを感じてきました。しかし大人になってからは、体得した知識をもとに工夫をすることにより、以前より緊張したりこわばったりすることなく、ある程度スムーズにコミュニケーションを取れるようになりました。そんな私が工夫している幾つかのポイントについてご紹介いたします。

アイコンタクトについて

自閉症スペクトラム障害のある方は、相手と視線を合わせること(アイコンタクト)を苦手とされている方も多いと思います。私もその一人で、どんなに親しい方が相手でも直に視線を合わせると妙にまごついてしまい、気持ちの揺れに耐えられなくなって逸らしてしまいます。

しかし、コミュニケーションを取る上では、アイコンタクトはお互いの信頼感を醸成するために大切なものです。そこで、私は相手の目をそのまま見るのではなく、目と鼻の間の辺りを見てお話するようにしています。そうすると私は大きな戸惑いを感じることなく、また相手の方にも違和感を持たれることなくスムーズに会話をすることができるようになりました。

また、アイコンタクトは単に視線を合わせて凝視すれば良いという訳ではない、という点にも注意が必要です。ずっと視線を合わせたきりではお互いに緊張感を感じてしまうため、時々視線を少し逸らして、また相手のお顔に視線を戻す、ということを会話のリズムに合わせて適宜繰り返すと良いと思います。

傾聴姿勢を心掛けた上で、自分の話をしてみる

私は自分から話題を提供してお話をするということが苦手なため、その分傾聴姿勢を心掛けようと思い、その心掛けを今も続けています。

人のお話を聞くということは、それだけで大変勉強になりますし、お話を聞いていると自然と相手の方のことを知りたいと思い、質問が浮かんできます。適切に質問を立てることでお話を盛り上げることができますし、相手の方に興味と尊敬心を持って聞いていることを態度で示すことができ、自然と好感を持っていただきやすくなります。

また、相手の方のお話を聞いているうちに、感想や、話の内容から派生した形で自分が話したいと思える事柄も自然と浮かんできます。その際は積極的にお話をして伝えると、会話のキャッチボールが成り立ち、相手の方ともより一層親しさが増すと思います。

もし自分から話題を提供して話す場面になった場合は、天候に関することや今世間で話題になっていること、共通の経験についてなど、誰もが話しやすいと思われる話題から始めるようにしています。その後に自分が興味を持ったことなどを話し始めてみると、相手に唐突な感じを与えずに済むのではないかと思い、実践しています。

私生活に干渉しないよう心がける

きっと誰しも、まだ親しくない方にはあまり触れてほしくない話題があると思います。私もそういった話題に唐突に触れられ、根掘り葉掘り聞かれてしまうと居心地が悪くなってしまい、困惑してしまうことがあります。ですので、私もお話をする際には、相手の方が自分から話し始めない限り、私生活に立ち入った話題は避けるように心掛けています。

よく「親しき仲にも礼儀あり」とは言いますが、ひと通りの礼儀作法やマナーを身につけておくと、ビジネス面でも、プライベートでも、コミュニケーションは大変スムーズになると感じました。現代は書籍やインターネットなどで礼儀作法や対人関係のマナーに関する情報を簡単に調べることができますし、知識として知っておいて絶対に損はないと思います。私自身もまだまだ成長途上の身ですが、そういった知識はこれからも積極的に求めてゆきたいと思っています。

まとめ

ここまで自閉症スペクトラム障害を持つ私がコミュニケーションで工夫していることについてお話をしてきましたが、いかがでしたでしょうか。

自閉症スペクトラム障害は、「スペクトラム」と名が付く通り症状の現れ方には個人差があり、私が述べたことが必ずしも全ての方に当てはまる訳ではないと思いますが、このコラムが少しでも皆さまのお役に立ちましたら幸いです。

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自閉症スペクトラム障害とADHDを持ち、現在は自身の特性と向き合い、有効な対処方法を日々模索しています。趣味は読書・音楽鑑賞・散歩など。よろしくお願いいたします。

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