発達障がい〜神からの贈り物〜

自閉と多動、論理力と認知力~認知のずれが社会適応を難しくさせる(『発達障がい~神からの贈り物~』第24回)

『発達障がい ~神からの贈り物~』 第24回 <毎月10日連載>

私の平日の仕事は障害者の職業指導員。B型をメインにA型も週1回まわっています。加えて現在は週に一度、まだ生徒数は少ないが学習塾を再開しました。これら職業指導、学習指導は私の生計の糧である以上にいろいろな気づきを私に与えてくれます。そしてその経験が私の人生に大きく変化をもたらせています。今日はそれらの経験について少しお話をさせていただきます。

私のこのコラムは解り易いと私の周りでは好評をいただいています。ブログに関しても多くの方から同様の評価をいただけているように感じます。語彙力がない私が一所懸命伝えるためにはできるだけ噛み砕いて説明するしかないので、その努力が認められているのかもしれませんが、私自身が最も大切にしているのは『論理性』です。

論理性とは物事の単純化、つまりメカニズムそのもののの説明だと考えています。言い換えてみれば数学の数式のようなもの。人種や国境、文化を超えて数学は世界中の人々と共通の理解を得ることができます。これこそが論理性そのものだと考えています。私の記事を高く評価していただける人は論理力の高い人のように私自身は感じています。

しかし一方で論理性とは違ったものに最近は興味が 移っています。いくら論理的に説明しても伝わらない人が残念ながら存在します。そういう場合にどのようにコミュニケーションすればよいかを考えたところから『認知力』というものがおぼろげに見えてきました。

認知力とは物事のメカニズムがわからなくてもなんとなくイメージできる、もしくは経験的に理解できるもの、と言ってよいと思います。多くの方は自転車を運転することができると思いますが、何故二輪のものが安定して走行できるのかの物理的な理由を知っている人はほぼ皆無でしょう。しかし経験的に自転車の運転は可能である。これは人間の認知力が大きく働いていると考えられます。また、『福祉』と言う言葉はどういった本質的な意味合いを持つのか 、何故この文字が使われているか、といった内容がわからなくてもなんとなく生活の中で当たり前に使われる言葉であったりしますが、これも言葉の本質が理解できていなくても経験的な認知ができているからだと思われます。

私がこの『認知力』に興味を持った理由はいくつかありますが、発達障害の中で自閉症巣ペクトラムやアスペルがー症候群といった自閉系の人の多くが論理的思考が強く、ADHD等の多動系の人の多くが認知的思考が強いように感じられた部分が大きかったからです。

因みに、現在の私自身はかなりの多動ですが、幼少期はかなり自閉的で屁理屈をこねるとよく言われたほど論理的思考に偏重していた後にどんどん認 知力が上がっていたように自分自身を理解しています。

さて、以上のことが是であったとすれば、相手によって伝え方を変えれば伝達力も高まると考えられます。論理的思考の強い人には噛み砕いて説明すれば伝わりやすいでしょうし、認知的思考の強い人にはその人の認知の強い部分からアプローチしていけばよい、そんな風に考えました。そして現在実践中です。そしてここで一つ大きな壁に当たってしまいました。

前述のとおり、論理性というものは言葉や文化が違う人間でも共通理解を得やすいものですが、認知と言うものはその人によって全く違うものです。蛇やトカゲが可愛いものと認知されたり、お化けやモンスターが怖く ないと言う人もいます。そういう中で共通理解を得るのは非常に厳しいものがあります。

上記のことを裏返してみると、多数派との認知のずれが大きい人ほど社会適応に難が生まれやすいと言えます。学力や社会スキルが高くてもドロップアウトしてしまう人の多くの共通項のように思えます。自助会で話される内容を思い返してみても、人間関係を構築できない人の多くが自身の認知が多数派と大きくかけ離れていることに気づいていなかったり、自分の認知を絶対視して他人に押し付ける人が多いと言い切れるように思います。やはり、ゆっくりでも論理性を高めていくのが社会適応の近道のようにも感じます。

そして、このことを更 に裏返してみると私自身の認知のずれを見つけることができるように思います。

私の苦手な部分はやはり認知的なずれが存在するように思います。これまでの派手な経歴からか、苦手なことが存在しないとさえ思われることが多い私ですが、全くその逆で苦手なことは山のように存在し、毎日それらと向き合っています。しかしながら結果が出ないものが多く、同じ分野に偏っているように感じます。そしてそれらに更に向き合うところからやっと見え出した自分自身が存在したりします。他人の認知のずれを学ぶことで今まで見えなかった自分が見つかる、勿論これが目的ではないが、ありがたいことに他人に向き合うことが自分への向き合いに大きく力を与えたりもするんで す。

以上が今回私がお話したかったことですが、さきにも話したように最近これらのことに興味を持ち出したばかりで、まだまだ多くを話せる状態ではありません。もちろんバックボーンには大量の検証実験中の事柄があり、これから先もこれらについてお話していこうと思いますが、次回がいつになるかは未定です。できれば皆さんの感想やご意見などを賜りながら更に掘り下げていければとも考えています。できればご協力をお願いしたいと思います。

公式ブログ https://ameblo.jp/suzie-net

Kei(ケイ)スズキ

Kei(ケイ)スズキ

いずみハッタツ友の会代表 就労継続A型事業所職員、高知大学農学部卒
放送ディレクター、スタジオ・ミュージシャン、カメラマン、道化師、学習塾経営など職を転々とする。10年の鬱の後に発達障害の診断を受ける。現在は福祉職員として当事者目線での支援を行う傍ら、ピアカウンセリングサポートにも積極的に関わる。自称『人生を楽しむパイオニア』
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注意欠陥多動性障害(ADHD)

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