私が30歳になってから双極性障害がみつかった理由

双極性障害(躁うつ病)

unsplash-logo Jeremy Perkins

私は、小さい頃は明るかったのですが、徐々につらさを感じ始めた中学生の頃に「うつ傾向がある」と診断されました。その後、20代中盤になるまでは、うつの薬を飲みながらも仕事に行っていましたが、就職後しては、ある程度の期間で会社を辞めて自宅療養し、また就職してはある程度の期間で…という繰り返しでした。ある日、自宅療養していたら突然倒れてしまい、救急車で運ばれました。それがきっかけで、大きな病院で再検査となり、双極性障害と診断されたのですが、ずっと精神科に通院もしていたはずなのに、なぜこんなに長い間みつからなかったのでしょうか。

躁状態にあるという自覚がなかった

うつ状態のときなら、落ち込むなどしていれば、自分でも周りからも気分が優れないのがよくわかると思います。ところが、躁状態のときは、周りから見れば明らかにテンションが上がってしまっているのに、本人だけがそれを認識しづらいので、「いま自分が普通ではない状態である」ことに気づけないのです。また、私の場合、「躁うつだから仕事に影響が出た」のを「仕事で精神状態が悪くなった」と勘違いししまっていたので、転職や、双極性障害の発見が遅れる原因になったのではないかと思います。

躁とうつのリズムは一定ではなく把握しにくい

よくある双極性障害の図解では、躁とうつが等感覚で、同じ触れ幅できれいな波を描いています。ですが、実際にはほとんどの人はうつの期間が長く、躁の期間は短いことが多いそうです。また、先に書いたように、躁状態は自分では気づきにくいわけですから、「双極性障害のうつ期間」を、「長く続くうつ状態」と勘違いしてしまうことが少なくありません。ちなみに主治医に平均的な一周期の期間を聞いたのですが、数週間〜数年間と、人によって大きく違うそうです。私の場合、はっきりはわかりませんが、3〜4ヶ月躁が続いた後、やや長めにうつが来る感じがしています。また、私に限らず、冬はうつに傾きやすいそうです。

躁うつには混合状態もある

躁うつには「混合状態」というものがあり、その名のとおり、躁とうつの症状が同時に訪れる、非常に厄介な状態です(気分が落ち込んでいるのにイライラは高まっている、など)。エネルギーの高まっているイライラ症状と、落ち込みというエネルギーの低いうつ症状が混じっているために判別がつきにくく、「自分は躁だ」という自覚がないと、やはりいつもよりたちの悪いうつと勘違いしてしまうことが多いのではないでしょうか。大人になるまで双極性障害に気づかない人はたくさんいるようですが、性格や周囲の人々、社会生活、病気の性質など、発見されにくい理由は多岐にわたると思います。

そして現在…

私はエンジニアをしていました。双極性障害には途方もなく苦労させられてきましたが、同時に、小さい頃からエンジニアになるまでを後押ししてくれたのも、少なからず躁の力はあったのだと思います。逆に言えば、小さい頃からずっとエンジニアになるつもりで一直線だったので、どんな仕事に自分が向いているのか、他に向いている仕事はあるのかなど、学生のときにやっておくべきことを十分ここまでやらずにきました。一旦リセットして再スタートするにあたっては非常に苦労させられているところです。私は現在就労移行支援事業所で就職活動に至るまでの様々な訓練を行っています。こうした問題をこれから見直して、再スタートを切れるようにと考えています。

コウ

コウ

30代男性。10代でうつの診断をうけ、その後就職もしていたが、30歳頃に双極性障害の診断を受ける。趣味は音楽全般。

双極性障害(躁うつ病) うつ病

関連記事

人気記事

施設検索履歴を開く

最近見た施設

閲覧履歴がありません。

TOP

しばらくお待ちください