書字障害と闘う

unsplash-logo Feliphe Schiarolli

私はLDという障害を持っています。そして、その中でも書難という障害特性を持っており、手書きで文字を書くことが非常に苦手です。文字を書くことが苦手という特性は学校の勉強において非常に不利に働きます。なぜなら、一般的に学校では書かれた文字を通して生徒の理解度を測るからです。また、文字を書くことが出来ないと、授業の内容をノートを書き、それを見直し復習するという勉強の基本的な流れを行う事ができません。つまり、文字を書くことが出来ないという事は、勉強する為の「武器」を奪われた状態と同じなのです。そこで私は、健常な他の生徒と対等に渡り合うため、文字を書くことに代わる新しい「武器」を必要としました。

新しい武器

文字を書くことに代わり得る新しい武器とはどのようなものが考えられるでしょうか。当時の私は「要するに授業の内容を理解してさえいればいいのではないか。」と考えていました。そこから私は、授業は「言葉」で行われている訳ですから、「言葉」を正しく理解することが出来れば、文字を書くことに代わり得る武器になると考え付きました。幸い私は、文字を書くことはできませんが本を読むことが好きでした。そこで私は、趣味の読書を利用して自身の語彙を増やすことにしました。たとえ文字が書けなくとも、言葉の意味やニュアンスにこだわることで、正しく言葉を理解することが出来ると考えたからです。

辞書を使って実践

具体的な方法は非常に単純で、ただひたすらに辞書を読むだけという物でした。辞書を読み、そこに書かれている言葉1つ1つの意味とニュアンスをしっかりと理解していくという作戦です。字面だけ見ると難しく感じるかもしれませんが、ただ読み続けるだけなのでそこまで苦労はしませんでした。ある程度辞書を読み込んで行くうちに自分の語彙が増えてきたことが実感できてきるようになってきました。そこで私は次のステップへと移ることにしました。

次に私は、複数の辞書で同じ言葉を調べて比較することにしました。複数の辞書で同じ物を調べることで、それぞれの辞書の違いから言葉の意味をより深く理解ができると判断したからです。実際、1つの辞書を読むだけでは分からなかった、言葉の用法やニュアンスなどが複数の辞書を比べて読んでいくうちに理解できるようになっていきました。

努力の結果

結果から話しますと、辞書を読み込み語彙を増やすこの作戦は大成功でした。今までぼんやりとしか理解していなかった言葉の意味がハッキリと理解できるようになり、細かな言葉のニュアンスにも敏感になりました。以前に比べて言葉の意味を正しく理解できるようになったため、授業の内容をより正確に理解できるようになりました。さらに学校生活においても、口頭では正しく問題に答えられることから、次第に正しく理解している事を周り人たちも認めてくれるようになりました。

余談ですが、私は幼少期から「言葉」に対して異常なまでに執着しています(このコラムを読んでいて気付いた方も多いと思いますが)。この私の「言葉」への異様な執着が一体どこから来たのか、今現在でもよく分かりません。恐らくですが「文字を書くことが出来ない」ことがコンプレックスになっており、この「言葉」に対する異様な執着を生んでいると私は考えています。しかし、この執着が「正しい言葉の理解」という武器を生んだことは事実です。だから、私はこの執着にとても感謝しています。

正しい言葉の理解が、私にとって文字を書くことに代わる新しい武器になりました。この経験から私は不利な状況を覆す為には、自分にとっての「武器」を持つ事と、その「武器」をモノにする為の努力が必要であると学びました。私は自身の障害と共に生きていく為に「言葉への理解」という武器を手に入れました。皆さんも自分の「武器」を手に入れてみて下さい。そうすれば、不利な状況を覆す大きな力をになると思います。皆さんが良い「武器」と巡り合えることを願っています。

舞台装置

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LDと広汎性発達障害を抱えた文字を書くことができない20代男性です。書字障害がありますが、大学を卒業できましたし、コラムも書いてます。趣味は読書と芸術鑑賞あと作曲。最近、猫にケンカで負けました。

障害・病気 学習障害(LD)

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