手話歌・手話ダンスで活躍中の「YELL+」が笑顔のエールを!
エンタメ 仕事埼玉県さいたま市にある就労継続支援B型事業所「駄菓子屋えーる」。運営母体は芸能事務所である「株式会社パザパ・エンターテイメント」で、障害者の一般就労に向けた基礎的な訓練を行っています。そして、職業訓練以外にも非常に個性的な取り組みを行っている事業所でもあります。
店長の徳永なおさんは、「YELL+(エール)」というユニットで活動しています。「YELL+」は障がいの有無に関わらず、明るくバリアフリーな社会を目指し、聴覚障害のある方にも音楽を楽しんでもらいたいという想いから、音楽に手話を用いてパフォーマンスすることに挑戦しています。
「YELL+」が行っているパフォーマンスは「手話歌・手話ダンス」という方法。歌唱に手話を用いて、更に振付を付けています。手話歌は単純に歌詞通りに手話にするのではなく、歌詞の意味をとらえて、手話にしているのです。 具体的な歌い方はこの動画(特に1:29から)において真ん中の女の子がやっていることを見ればわかりやすいです。周りの子と違う動きをしていますが、これは聴覚障害の両親に向け自然習得した限りの手話を活かし通訳しているためです。幼稚園児にとって忙しすぎる動きからわかる通り、振り付けと手話通訳を織り交ぜるのは容易ならざることでしょう。
聴覚障害のある方に音楽という音の娯楽を伝えること自体が難題でもあります。その上、「YELL+」結成当初は手話やダンスに関して素人同然でした。しかし、手話による音楽ライブが形となったことで技術面の壁を乗り越え、次は伝達面での壁をも乗り越えようとしています。
地域交流から地上波まで
「YELL+」の活動は幅広く、福祉施設から24時間テレビ大阪メイン会場のライブ出演まで規模も様々です。特に力を入れているのは地域との交流で、埼玉県内のイベントに参加したり福祉施設を訪問したり事業所内で手話交流会を催したりしています。
最大規模の活動である24時間テレビ大阪メイン会場でのライブには、2017年から3年連続で出演しており初出演となる2017年にはプリンセスプリンセスの「Diamonds」を手話歌で披露し、手話歌を作成したAnna.★さん(聴覚障害のあるダンサー)と一緒に会場を湧かせました。観覧していた聴覚障害のある方が「ステージを通じて音楽の楽しさを知りました!」と好意的な感想を寄せ、翌年はその方がサプライズでステージに上がり、ファンレターが読み上げられました。
埼玉県内でも「西武園ゆうえんち」「浦和美園まつり」などのイベントで手話ライブを披露、福祉施設では放課後等デイサービスや特別養護老人ホームなどへ訪問しライブを行っています。事業所となる「駄菓子屋えーる」内でも地域交流の催しを開いており、過去にはボランティア活動やチャリティー活動を積極的に行っているmisonoさんご夫妻がボランティアで来て、一日店長イベントを開催したこともあります。
事業所そのものにも工夫が
24時間テレビに2度目の出演をする少し前の2018年7月に、就労継続支援B型事業所として「駄菓子屋えーる」を設立しました。「YELL+」のメンバーである徳永さんが“支援員”兼“店長”として業務に従事しています。
事業所を始める際に気を遣ったのは全体のレイアウト。
女性が「来たい」と思えるように明るく可愛らしいイメージを重視し、車いすの方も一緒にお仕事が出来るように広々とした造りにしました。
また、ひとりひとりのモヤモヤを解決してあげることにも気を付けていると言います。
こうした努力だけでも、前の作業所で休みがちだった利用者さんが休まず来るようになったそうです。
B型事業所の運営にあたっては聴覚障害のみならず幅広い障害と向き合わねばなりません。その中で徳永さんが気を付けているのは「みんなの特性を理解して、きちんと向き合うこと」だそうです。障害者が直面する課題について周知していくことも大事な活動となります。
参考サイト
【24時間テレビ大阪メイン会場「オリジナル曲“スター”」】
https://youtu.be/L9U0N6YTC2E
【手話会メンバーで初ライブ】
https://www.youtube.com
パパとママに楽しんでほしい!幼稚園児がクリスマスソング合唱で聴覚障害の両親のために手話通訳!|ロケットニュース24
https://rocketnews24.com
就労継続支援B型事業所 えーる
http://www.yell-i.com
身体障害 その他の障害・病気