「誰かに何かを教えることは自信につながっていく」(セコラム第38回)
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『セコラム!〜伴走者の立場から障害福祉を考えてみる〜』 vol.38
僕たちはスタッフ/利用者、支援者/被支援者という関係性を薄めるように意識しています。三休は、1つの目標に向かってみんなで取り組み実現していくチームであり、スタッフも利用者もそのチームを構成するメンバーです。だからこそ「支援する」ということを過剰に意識しません。もちろん工夫や配慮などの最低限の支援はしています。これには様々な理由がありますが、支援しすぎてしまうとかえって「自立」から遠ざかることがあるからです。僕たちは2つの義務があります。1つは、自立に向けたサポートをしていく義務。もう1つは、意思を最大限祖雲長していく義務。この前者を果たすために、いき過ぎた支援はしないように、型にはめられた支援者にはならないようにしています。
先日、障害のある子どもたちが大学生と一緒に畑体験に来てくれました。障害のある子ども1人につき大学生が1、2人のチームとなり作業をすることになったので、各メンバーをそのチームに加わっていただき農作業のやり方や気を付けるポイントなどを教えるポジションを担っていただきました。最初は戸惑いがあったのですが、少しずつ慣れていき「ミントは頂点を切っていきわき目を伸ばしていくんだよ」や「この花があがっている枝を切っていこう」などと子供たちや大学生に教えながら作業をしていました。
スタッフ/利用者ではなくメンバーという同じ目線で作業をしていたつもりでしたが、「今日の作業はこれです。こういう風にしていきましょう」とスタッフが指示を行い、チェックしていき作業を進めていました。今回、この立場が逆転し、メンバーが指示をする側に回りました。この日の終わりにメンバーに感想をお聞きしたら「誰かに教えることでいつもと違う立場となり刺激的でした」「自分がしていることを誰かに伝えることって自信になるんだ」などの嬉しいフィードバックがありました。
このフィードバックをお聞きし、普段の作業においても「誰かに何かを教えること」を加えていきたいと思うようになりました。指示をするということは、仕事のことを充分に理解しないといけません。それに、どのように伝えたらわかりやすいんだろうと考えることになるし、自分が伝えたことを相手が理解しできるようになることは自信になるし、「誰かの役に立っている」と自己肯定にもつながるし、なにより就労に向けたステップアップにもなっていきます。
まだまだ小さな事業所だけれども、メンバー同士で作業を教え合う、切磋琢磨するように環境や仕組みを整えていきたいと思います。そうすれば、より就労へのステップが明確となり、メンバーが「何を目標にしていくのか」がはっきりしていくでしょう。
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