パラリンピック・パワーリフティング編~パラパワーリフティングのルールは?
スポーツ 身体障害オリンピックの種目にウェイトリフティングという競技があります。一方、パラリンピックにはパワーリフティングという競技があります。この二つの競技の違いはなんでしょうか?
ウェイトリフティングとパワーリフティングの違い
ウェイトリフティングとパワーリフティングがあります。ウェイトリフティングはスナッチとクリーン&ジャークの2種目があります。両種目も床上から、バーベルを持ち上げる競技です。パワーリフティングではスクワット、ベンチプレス、デッドリフトの最大重量の合計を競います。パラリンピックでは、パラ・パワーリフティングと呼ばれ、ベンチプレスが競技種目になっています。
パラ・パワーリフティングの競技概要
東京2020大会では男女各10階級が実施される予定です。男子は49㎏から107㎏超級まで、女子は41㎏から86㎏超級までです。また、障害の内容や程度によるクラス分けはなく、試合は体重別で行われます。 パワーリフティングでは、選手1人ひとりが順々にベンチプレス台の上で試技を行います。各選手3回ずつ試技を行い、基本的には回数を追うごとに重い重量の記録に挑戦をしていきます。ただし、大会新記録に挑戦する場合は4回目の試技が認められています。 公平をきたすため、下肢の一部を切断している選手は、切断の範囲に応じて選手自身の体重に一定の重さを加算した重量でクラス分けされます。下肢に障害のある選手を対象としているため、腕や肩、胸など上半身の筋力だけで行われる競技です。選手によっては、上半身だけで体重の約3倍以上を持ち上げる選手もいます。
パラ・パワーリフティングの試技の流れとルール
パラ・パワーリフティングは、ベンチプレスの台に下半身を固定して行われます。 選手はラックから外したバーベルを腕が完全に伸びた状態で支えます。審判の指示でバーベルを胸の位置で一旦止めて、肘を真っ直ぐに伸ばしながら元の位置まで一気に押し上げます。左右どちらかに傾いたりせず、正しい姿勢でバーベルを上げたまま3秒間静止し、主審が「ラック」(バーベルを戻せという意味)と合図したらバーベルをラックに戻します。試技は3人の審判によって判定され、白いランプが3個中、2個以上点灯すれば成功です。逆に、赤いランプが2個以上点灯すれば不成功を意味します。 試合は、主審のスタートの掛け声から2分間で持ち上げられなければ失格です。その間に選手は集中力を高め、自分の力を一気に出し切るのです。
コーチとの絆
健常者によるパワーリフティングとの大きな違いは、「コーチが試技に付き添えること」です。コーチが選手の車いすを押して舞台に上がり、試技中も声の届く距離で見守ります。コーチは選手が集中できるよう、選手のサポートに回りますが、そのサポートの仕方もコーチそれぞれで異なります。例えば、選手が準備している間、集中力を切らさないように淡々と静かに見守るコーチもいれば、反対に声を掛けて、選手を鼓舞するコーチなどさまざまです。
力だけの世界
選手全員に3回のチャンスが与えられ、障害での区切りがなく体重別クラスだけで、重いバーベルを上げるだけのシンプルなルールです。単純に力だけで結果が出ます。 パラ・パワーリフティングの世界記録は、イランのシアマンド・ラーマン選手の310㎏です。健常者の記録を20㎏も超えるパワーは圧巻の一言でした。
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【TOKYO2020パラリンピック】
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