私が就労移行支援に通うまで~体験談 Part.4「僕が就労移行支援訓練に通うわけ」
仕事 うつ病出典:Photo by Mathew Schwartz on Unsplash
これは私が就労移行支援事業所に通所を開始するまでの実際の体験談です。うつ病の発症からクローズ就労を経て、就労移行支援訓練に通い始めるまでの約10年間の話になります。全4回。最後は「4.僕が就労移行支援訓練に通うわけ」です。
31歳、就労移行支援訓練?なんじゃそりゃ。
障害者手帳を申請し、交付されるまでに3ヵ月ほどの期間を要しました。その期間中、私は自分の体調と相談しながら、ハローワークに頻繁に通いました。無理はしないようにと考えてはいたのですが、無職ということに焦りが生じ、多い時は週に2回、3回と行き、求人はないかとハローワークの備え付けのパソコンとにらめっこしていました。中にはこれはと思う求人もあり、履歴書と職務経歴書を送りました。
1件応募して、返答が返ってくるのが1~2週間後。返答が返ってくるまでに次の求人へ応募。不思議なことに書類選考を通過することはありませんでした。
……何故か。
就労移行支援を受けていなかったからです。
私がそれに気が付いたのは、前職を辞めて1年。失業保険もなくなってからのことでした。
31歳、自分だけが障害者じゃない。
就労移行支援を受けてないと、採用される確率が大幅に落ちる。
このことに気が付いたのは、障害者向けの転職イベントに参加したときのことです。その日も私は履歴書と職務経歴書を持ち、企業が主催するイベントに参加していました。
過去にも同社が主催するイベントには何回か参加しており、毎回参加してる企業、今回新しく参加してる企業の見分けがつくくらいにはなってました。
そもそも障害者の就職は求人倍率が非常に高く、その日の転職イベントでは10社の求人に対し、約400人ほどが参加していました。もしかしたら、もっと多かったかもしれません。
障害の種類も様々で身体障害者の方は見た目でわかりやすいのですが、中には一見して障害者と分からない人も多く見受けられました。精神障害や内部障害などをお持ちの方々です。
私も見た目だけでは障害者と分からない部類です。
自分と同じような境遇の方が他にも大勢いる。
初めて会場に足を運んだ時にはあまりの人数の多さにショックを受けました。
転職イベントでは自分が興味のある企業の人事や担当の方と面談し、「実際にどのような業務をするのか」「自分が就職したらどのように働きたいか」「どのような配慮を企業に求めるのか」を話します。この点は一般就労の転職イベントと同じで、面談とはなってますが実際は予備面接みたいなものです。
面談を受けるためには、企業の前にずらっと並んでいる順番待ちの列に並ばなければなりません。5人待ちくらいは当たり前。時には1時間以上待って面談を受けることもあります。長い時間待ちに待ってようやく自分の番が回ってきました。
31歳、いよいよ面談
これまで何回も面談や面接などを受けているので、担当者の方との受け答えはスムーズに行うことができました。主な内容は自己紹介とか職歴とか他愛のないものです。必要な配慮についても伝えることができました。
そして、最後の質問で今までになかった質問が担当者の方から投げかけられました。
「就労移行支援に通ってる?」
就労移行支援?
心療内科に行くと、受付にパンフレットが置いてあるのをよく見かけてましたが、私はその時、通うつもりはありませんでした。就労移行支援はもっと重篤な障害をお持ちの方が行く施設だと思っていたからです。
「通っていません」
その後、その企業から連絡はありませんでした。
私はその話を心療内科の医師に話すと、何か思い当たる節があったらしく、就労移行支援に詳しい職員さんにお話を聞かせていただけることになりました。その方が後に私のケアマネージャーとなりました。
ケアマネージャーさんに話を聞くと、就労移行支援には自分と同じような精神疾患を持つ人も通っているということ。企業側も判断材料の1つとして就労移行支援に通っているかどうかを基準とすることがあるということがわかりました。
要は企業も障害者を雇用するということに少なからず不安があり、企業と障害者の仲を取り持つ仲介者の存在があった方がいいと考えているのです。
私はすぐにケアマネージャーさんにいくつかの施設を教えてもらい、なるべく早く通所が開始でき、早く就職に辿りつくことができる就労移行支援事業所を選びました。
32歳、就労移行支援訓練に通っています
現在ですが、私は就労移行支援事業所に通って新しい職場で働けるように、自分の障害特性とか職業適性とかを1から日々研究しています。
就労移行支援訓練を受ける事により、「自分の障害はどのようなものなのか」「就労に必要ことは何なのか」「どのような配慮が必要なのか」という事を再確認する事ができました。意外にも自分で思ってたよりも自分のことで知らないことがたくさんあることに気が付きました。
また、自分が「どのような場面でストレスを感じるのか」を再確認し、それを面接時に担当者に伝えることで再発防止もできるのではないかと考えています。「自分に最適なストレス解消法」を見つけることで発症した際、悪化する前に対処することも可能になります。
そして、1人で悩みを抱える必要はなく、支援員の方の助けを得られる。相談できるということは何よりも心強い点です。1人で延々と塞ぎこんで、悶々とすることがなくなりました。
焦っているときこそ
一度立ち止まって休んで
自分のことを見つめなおして
知って
次の手段を考えて
行動する
ステップを着実に一歩一歩進んでいくことが大事なんじゃないかと今の私は考えています。
……実は現在の就労移行支援事業所は2つ目でして。以前通っていた就労移行支援事業所でもう一騒動あるのですが、それはまたの機会ということで。
終わり
うつ病