2022年北京冬季パラリンピック~パラアイスホッケーのルールは?
スポーツ出典:Photo by Chris Liverani on Unsplash
パラアイスホッケーは、下肢に障害を持つ人たちのために「アイスホッケー」のルールを一部変更して行われるスポーツです。通常のアイスホッケー同様にボディチェック(体当たり)が認められており「氷上の格闘技」と呼ばれるほど非常に激しいスポーツです。
アイスホッケーの専門用語について
パラアイスホッケーは通常のアイスホッケーと同様のリンクで、縦60m幅30m。リンクの短辺から4m離れた所にゴールラインが引かれ、その中央に高さ1.22m幅1.83mのゴールポストが置かれます。そのリンクを3等分するようにブルーラインが2本引かれます。
この2本のラインで分けられたゾーンの自陣側のゴールがある3分の1の区域が「ディフェンディング・ゾーン」中間の3分の1の区域を「ニュートラル・ゾーン」相手側のゴールがある3分の1の区域を「アタッキング・ゾーン」といいます。
ベンチとペナルティボックス(アイスホッケーで、リンクの横に設けられた、反則を犯したプレーヤーが罰則の時間が過ぎるまで座る席)前のフェンスは選手がスレッジ(そり)に乗ったまま試合が見られるよう透明なフェンスボードになっています。
フェイスオフとは?・・・試合開始や反則が起きたときに行うもので、向かい合った両チームの選手2人の間に審判がパック(硬質ゴム製の円盤)を落として試合が開始、再開されます。試合開始やゴール後はリンク中央で、それ以外の中断からの再開は、中央を含めて9カ所あるフェイスオフ・スポットで近い場所が選ばれます。
フェイスオフ・スポットとは?・・・フェイスオフが行われる場所で、5つある各サークルの中央と、ブルーラインとセンターライン間にある4ヵ所を合わせた合計9か所あります。
パラアイスホッケーのルールは?
パラアイスホッケーは、アイスホッケーとほとんど同じルールで行われます。反則に関しては大きく別けて「ペナルティが課される反則」と「課されない反則」があります。
一般のアイスホッケーと最も大きく異なるのは「スレッジ」と呼ばれる"そり"に乗ってプレーする点です。スティックも通常は長いものを1本持ってプレーしますが、パラアイスホッケーでは短いスティックを2本使用します。
試合時間も異なり、パラアイスホッケーの試合は15分×3ピリオド制です。スティックには"ピック"と呼ばれるギザギザの金属とブレードがついており「漕ぐ」動作で前に進みます。ブレード部分でパックを操り、パスとシュートを打ちます。
ペナルティが課されない反則
アイシング・ザ・パック・・・センターライン手前からパックを出し、誰にも触れずに相手側のゴールラインを超えた場合、反則になります。この反則をしてしまうと、試合がストップして自陣側のフェイススポットでフェイスオフになり、試合が再開されます。
オフサイド・・・攻撃側の選手がパックを持つ選手より先にブルーラインを完全に越えて、アタッキングゾーンに入ってしまった場合、オフサイドの反則となります。ブルーライン付近のフェイススポットでフェイスオフになり試合再開となります。
ペナルティが与えられる反則・・・公正な試合を進めるために、ペナルティが発生する反則は、ペナルティボックスに決められた時間まで待機するか、試合退場をともなう厳しい罰則が科せられます。
パラアイスホッケーのチームについて
1チーム17名(女子選手をベンチに入れる場合は18人のベンチ入りが認められています)で構成されますが、リンクの上でプレーするのはGKを含め6人です。(3人のFW、2人のDF、1人のGK)交代はいつでも可能で、ゲーム進行中に交代することもあります。体力消耗が激しいことと、集中力のあるうちに交代するため、交代回数は他のスポーツよりも多くなります。
パラアイスホッケーの魅力は?
選手が激しくぶつかり合う迫力満点なボディチェックは、転倒したり、スティックが折れたりすることもあるほどです。パラアイスホッケー特有のパックをスレッジのフレームの下にくぐらせながら前進する高速ドリブルも、見ごたえ十分です。
参考文献
【一般社団法人日本パラアイスホッケー協会 パラアイスホッケーとは】
http://sledgejapan.org/
【日本パラリンピック委員会 簡単アイスホッケーガイド】
https://www.jsad.or.jp/paralympic/sports/para-ice-hockey.html