私が就労移行支援に通って感じたこと

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出典:Photo by Kelly Sikkema on Unsplash

みなさんは「就労移行支援」をご存知でしょうか。私は社会復帰のため、就労移行支援事業所に通っています。就労移行支援では、カリキュラムや自主トレーニングを通して、ソーシャルスキルを養うことができます。本記事では、私が就労移行支援事業所に通所して感じたことを書いていきます。ぜひ参考にしてください。

就労移行支援という選択肢

私は大学卒業後、新卒で会社に入ったのですが、途中体調を崩して適応障害になってしまい会社を退職することになりました。

退職してすぐに頭をよぎったのが「今、一人暮らししてるけど生活費は大丈夫だろうか」「はたして、現在の不安定な世の中で転職できるだろうか」という今後への不安でした。生活費に関しては、親の仕送りで当面は凌げることがわかりました。ただ、転職に関する不安だけはどうしても拭えなかったのです。

私が転職するにあたって一番困難だと考えていたのは、退職理由の説明です。

よく「在職期間3年未満での転職は厳しい」と、耳にしていました。採用をする企業側からしても、前職を1年未満で退職しているという職歴を目にすると「うちの会社もすぐに辞めてしまわないだろうか」と、面接の際に必ずたずねられるだろうと思います。

私は約半年ほどで会社を退職しました。その背景には、適応障害と診断されたという事情もありました。もし面接で退職理由についてたずねられたとき、退職にいたった複雑な事情をきちんと説明できるのか私は悩んでいたのです。

その他にも様々な不安が頭をよぎり、このままでは転職活動は難しいと感じた私は、どこか相談できる機関はないかと思い、インターネットで探しました。

そこで見つけたのが、就労移行支援事業所です。

早速、気になったところにコンタクトを取り、見学にうかがいました。スタッフさんとの面談では、自分の就職に関する悩みを打ち明けたところ、丁寧に聴いてくださいました。その上で、就労移行支援がどういったものなのか、詳しく聞かせてもらったのです。

その後、スタッフさんから勧められたカリキュラム体験に参加し、通所することを決意したのです。

事業所に通所してから

やがて入所の手続きも済ませて、本格的に通所を開始しました。まずは片っ端からカリキュラムを受けることにしました。

カリキュラムは複数の種類があって、座学からグループワーク、パソコン訓練などがありました。私は主に座学のカリキュラムを受け、空いた時間にはパソコンで自主訓練をしていました。

カリキュラムでは、スタッフさんが前に立って講義をして、状況を見ながら利用者に声掛けをして、サポートしていました。ちゃんと利用者ひとりひとりに気遣いながら、共に寄り添っていくという姿勢が見受けられました。私も進捗状況が芳しくないとき、サポートをしてもらいました。

また、定期的に利用者と面談をおこない、利用者の意思や状況に合わせて目標を設定していきます。私は、早い段階から就職活動をしようと思っており、そのむねを伝えたところ、いろいろなカリキュラムや診断をすすめていただいたのです。

通所による自分の成長

私はいろいろなカリキュラムを通して、積極的に人を頼れるようになりました。

昔から人を頼るのが苦手で、自分だけでは解決が難しい課題なども、ひとりの力で解決しようと思っていました。誰かに頼ることは、甘えだと思っていたのです。

ただ残念なことに、だいたいは自分だけでは解決できないことばかりで、結局誰かを頼っていました。

私はそんな自分を「俺は誰かに頼れなかったら何もできない」「俺は自分じゃ何ひとつできない」と卑下していました。

通所を開始したころもその考え方に囚われており、スタッフさんが「何か困ったことや、手伝ってほしいはありますか」といわれても、「特にありません」と答えていました。

しかし、時期が進み自分が就職活動をしていく中で、履歴書や職務経歴書といった応募書類の作成や面接といったところで、様々な壁と向き合うことになります。それらの課題は、流石にひとりではどうすることもできず、スタッフさんの助けを借りないといけない状況でした。

それから、書類作成や面接対策などで、不明点や疑問点があった場合は、ひとりで抱え込まずに積極的に相談するようにしました。課題解決にいたるまでは前途多難でしたが、スタッフさんに相談したことによって、肩の荷が下りたのかスムーズに取り組めるようになりました。

これらは独りではできませんでした。多くのスタッフさんを頼り、話をきいてもらい、献身的にサポートしていただいたからこその成果だと思います。

おわりに

私は就労移行支援に通って、自分の壁と向き合いました。今もソーシャルスキルに関しては、未熟なところがあると感じます。

でも、私は自分の成長を実感できました。少しずつ、着実に社会復帰へと動き出しています。

就労移行支援には、様々な事情を抱えた利用者がいます。社会復帰への道のりは、人それぞれ違います。決して楽なことばかりではなく、時には苦痛をともなうこともあるかもしれません。

そんなとき事業所のスタッフの方々は、真剣に向き合ってくださいます。そして、一緒に悩んで考えてくださいます。私もそうでした。これから通所を検討されている方に、私の体験談が少しでも参考になってもらえたら幸いです。

kharis

kharis

大学卒業後、一度就職しその後適応障害と診断され、仕事を退職。現在は通院しながら社会復帰を目指しています。

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