就労移行支援事業所を知り通うことで「障害克服の改善点」と「生きる希望」を見つけたことを書きました。
仕事 暮らし出典:Photo by Dayne Topkin on Unsplash
独りで考え行動した、障害克服の努力は無駄ではありません。独りではどうにもならないとき、助けてくれる場所があることを、私のように障害で苦しむ方々に知ってほしいです。読んだ人が生きる希望を見つけてくれればうれしいいです。
私と障害
私には「自閉症スペクトラム」に近い障害特性があります。学生時代は特に問題はありませんでしたが、スーパーマーケットで働き始めた23歳から自覚するようになりました。主なエピソードとして「口頭指示が理解できないこと」「臨機応変な対応が苦手なこと」「正解がわからない業務」に苦戦しました。
私は口頭指示を理解するのが苦手です。勤めていた畜産部門では、精肉の商品化の指導時間がありました。指導といってもマニュアルが用意されてるわけではなく、実技と口頭のみの指導では、頭の中で内容を整理できず、よくパニックに陥りました。
仕事の優先順位付けも苦手でした。精肉の商品化、発注業務、冷蔵庫への入荷物の積み込みなど、多くの業務を考えながら、臨機応変に優先順位を変更しなくてはなりません。私が考える優先すべき業務と、上司にとって優先すべき業務が異なることが多く、仕事が遅くなることがよくありました。
そして特に辛かったのは「何を、どこまで、いつまでにするか」答えがない業務が苦手なことです。精肉や容器の発注業務では店舗のイベントや催事、自分の課題達成などのために「何を、どのくらい、いつまでに」発注するか、なかなか自分の中で正解がわからず、無駄な発注をしたとして上司によく注意されました。
結果的に仕事のストレスで体調を崩してしまい、その後、今回のを含めた3社で2年以内に退職しました。
就労移行支援事業所との出会い
退職後は生きる希望を失い、自殺を考えたこともありました。その時、私は親の紹介で発達障害者の就職を手助けしてくださる「就労移行支援事業所」を知りました。「もう自分ひとりの力では働けない」と思っていた私にとっていい機会だったので通い始めました。
就労支援では障害理解や障害者の雇用、自己理解を学んでいますが、特に役立ったのは、障害を克服する自分で独自にやっていた工夫の改善点がわかったことです。就労支援では「認知特性」という講義がありました。人間は情報理解の仕方が「視覚優位」か「聴覚優位」かで個人差があり、自分は目からえる視覚的な情報の方が理解しやすいと知りました。
そこでふと思い出したのは、自分が障害克服のため作ったマニュアルでした。スーパーの精肉部門に勤めていた際に、商品化の手順を覚えるため、写真で精肉の商品化を撮影し帰宅後にパソコンで編集して、マニュアルを作っていました。
「これだ!」
「視覚的な情報」を入れたマニュアルをもっと作っていればよかったと思いました。というのも、今まで3社勤めてそれぞれの仕事のマニュアルを作っていましたが、どれも文字ばかりで視覚的な情報が少なかったのです。
私の努力は無駄ではなく、また一歩、障害克服に近づいた気がしました。
生きる希望
独りで悩み、努力するのは大事なことです。しかし、結果が出なければ周りの評価もえられず、自分の努力に自信が持てなくなります。
私もメモも取ることで口頭指示を理解し、業務の優先順位をつけ、オリジナルのマニュアルを作ることで仕事を覚えようとしました。しかし、上手くいかず、最後には企業に居場所が無くなって退職を繰り返しました。
「独りではどうにもならないと思ったとき、助けてもらえる場所はある」ことを知ってほしいです。私は今の就労支援に通い出してから、「障害を克服する工夫」の改善点を見てもらったことで、私の努力は無駄ではなかったと知り、現在は生きる希望をもって就労支援に通所しています。
このコラムが読んだ人の生きる希望になれば、大変うれしく思います。ありがとうございました。